J開幕戦弾も急ブレーキ… 悩める鳥栖の18歳注目株FWが語ったトゥーロンへの想い

2018年05月15日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

復調のために欲しいのはゴール。トゥーロン国際大会で躍動できるか

浦和戦は後半頭から出場するも、決定的なチャンスを作ることはできなかった。(C) SOCCER DIGEST

 5月15日、トゥーロン国際大会に挑むU-21日本代表のメンバーが発表された。

 FWでは、昨年5月のU-20ワールドカップで大怪我を負った小川航基(磐田)の復帰に注目が集まったなか、U-19日本代表の世代である田川享介(鳥栖)も選出。昨年のU-20ワールドカップにも久保建英(FC東京)とともに飛び級で参加した男は、1月のU-23アジア選手権以来となるU-21日本代表への参戦が決まった。

 ただ、コンディションは決して良いわけではない。
 
 プロ2年目を迎えた今季の田川は春先から好調だった。開幕スタメンを勝ち取ると、ゴールまで奪って存在感を発揮。しかし、以降は結果を残せず、自身の調子も徐々に下降していった。14節が終わった時点で13試合に出場しているが、途中出場が多いこともあって2得点しか奪えていない。

 13日に行なわれたJ1リーグ14節の浦和戦後に話を聞くと、本人も難しさを感じていると明かした。「戦術的なところもあるので、割り切ってやっている」と起用法は受け入れた上で、「今はどうしても悩んでいる時期で、点も取れていない。何かを変えなきゃいけないというのはすごく感じている」と壁にぶつかっている。
 
 実際に後半の頭から出場した浦和戦は、堅守速攻の形からゴールを目指したが好機に絡めずじまい。ゴールを奪えていないという結果がパフォーマンスにも影響し、アタッキングサードで思い切り仕掛けるプレーがあまり見られなかった。
 
 巻き返しを図る本人も復活への糸口を見つけられておらず、「なかなか持ち味も生かせずに終わっているところもあるし、ちょっと今は難しい時期かなと思う」と今季は苦悩の日々を過ごしていることが窺える。
 
 ただ、その状況下で今回、U-21日本代表に選出。クラブとは異なる環境でのプレーは、スランプから抜け出す契機となるかもしれない。13日の浦和戦後、田川はメンバー入りした場合、「違った環境でまたやれば、得るものもある。そこはJリーグの連戦が終わって、気持ちをリセットさせられれば、いいかなと思っています」と代表活動をきっかけにしたいと話していた。

「点が取れれば、自分のなかの気持ちも変わってくる」とは田川の言葉。クラブで結果を出すためにも、鳥栖の注目株にとってこのトゥーロン国際大会は勝負の場となる。

取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)

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