【広島】ふた桁ゴール&得点ランク首位! 好調パトリックの原動力は、あの時期の“想い”

2018年05月15日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

「昔のようなパトリックに戻りたい」

好調を続けるパトリックは、得点ランキングでトップに立った。写真:早草紀子

[J1リーグ14節]仙台 1-3 広島/5月12日/ユアスタ
 
 アウェーの仙台戦、広島を勝利に導いたのはパトリックだった。1点ビハインドで迎えた41分にクロスをヘッドで合わせて同点にすると、89分には力強いドリブル突破から右足のシュートを決めてダメ押しの3点目をゲット。どちらも貴重な時間帯のゴールで、決定力の高さを発揮した。
 
 これで今季のゴール数を10に伸ばし、得点ランキングでトップに立った。14試合で早くもふた桁得点に到達し、好調を維持している理由について、パトリックは次のように述べる。
 
「自分のモチベーションは、大きな怪我をした時から思い通りにプレーできなかった、悔しい想いにある。ずっとその想いがあって、今でも毎日その想いを糧にしながら練習をしている」
 
 パトリックはG大阪所属時代の2016年10月、右膝に全治8か月の大怪我を負った。負傷前の15年は32試合で12得点を記録するも、故障から復帰後はプレータイムもゴール数も伸びず、17年6月から加入した広島でも今季ほどの動きは見せられていなかった。

「昔のようなパトリックに戻りたい。そのために今は頑張っている」
 
 パトリックの力強い決意は、14戦10発の数字に表われている。ブラジル人FWのハイパフォーマンスについて、城福浩監督は努力の成果だと説明した。
 
「攻守においてハードワークをしているし、最後のドリブル突破は彼のフィジカルコンディションの良さ。それは毎日、努力をしてきた成果だと思う。どんどん上手くなっていて、身体も動くようになっている。これから、彼の良さをもっと引き出したい」
 
 パトリックの努力については、チームメートの水本裕貴も同調する。
「プレシーズンから凄く良い準備をしていた。フォワードが点を取るとチームも乗るので、今はパトが凄く心強い」
 
 右膝の大怪我と以降の不調の悔しさを糧に、ハードなトレーニングを続けてきたのだろう。大きな壁を乗り越えたパトリックは今、パワー、スピード、決定力など、ストライカーに求められるあらゆるスキルがハイレベルにある。まだまだゴールを量産して、首位の広島を牽引してくれそうだ。
 
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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