プロ7年目でJ1デビュー&初得点!"ラルフ"の愛称を持つ仕事人が川崎に新風を吹き込む

2018年05月12日 本田健介(サッカーダイジェスト)

苦しい日々を越えて掴んだ待望の一発

劇的な決勝ゴールを挙げてガッツポーズを見せる鈴木。J1デビュー戦で貴重な仕事をこなした。写真:徳原隆元

[J1リーグ14節]柏1-2川崎/5月12日/三協F柏
 
 1-1で迎えた後半アディショナルタイム、川崎に3試合ぶりの勝利をもたらしたのは、プロ7年目にしてJ1デビューを果たした鈴木雄斗だった。
 
 今季、山形から加入した長身アタッカーは、右SBとして86分から登場すると、積極的なオーバーラップを披露。そして90+2分には、長谷川竜也の左からのクロスにヘッドで合わせて劇的な逆転ゴールを奪ってみせたのだ。
 
 水戸で4年、山形で2年、研鑽を積んで来た男のまさに意地の一発だった。王者・川崎の一員になってからは「フロンターレのサッカーは細かいパスをつなぐので、それを考えすぎて自分の良さが消えていたと思います。心が折れかけていたところもありました」と、苦しい時間を過ごした。
 
 それでも4月18日にグループリーグ敗退が決まっていたACLの蔚山現代戦に先発出場すると、貴重な先制ゴールをマーク。その後はトレーニングでもアピールを続け、念願のJ1デビューへとつなげた。
 
 2戦2発という結果からも"持っている男"と言うことができる。記念すべきJ1初ゴールは、前節に2年半ぶりの連敗を喫し、この日も苦戦を強いられたチームを救う価値ある一発でもあった。彗星のごとく現われた新アタッカーが今後、チームに勢いをもたらす可能性はあるだろう。もっともヒーローになったにも関わらず、本人に慢心する素振りはない。
 
「一度、結果は出ましたが、ここから大事だと思います。この世界は一回、点をとってもすぐに次が来るし、評価はすぐに変わってしまう。嬉しいのは一瞬だし、明日からまた頑張らなくちゃいけない」
 
 自らの転機となるような一戦を終えても冷静に次に目を向ける――。"ラルフ"の愛称で親しまれるアタッカーは、局面を変える"仕事人"として川崎に新風をもたらしてくれるのかもしれない。
 
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
 
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