「歴代ワースト級だ!」「不運なGK」オランダ入れ替え戦でド肝を抜くオウンゴールが誕生!

2018年05月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

アディショナルタイムのドラマで“奇跡の美談”に

タイムアップの瞬間のスピアリングス(中央奥)。ミスを悔いているのか、ホッとしているのか、なんとも言えない表情を浮かべる。(C)Getty Images

 シーズン最大のシリアスマッチで、とんでもない衝撃ゴールが生まれた。
 
 オランダで行なわれている昇格/降格プレーオフ、いわゆる入れ替え戦の準決勝。その第1レグで、2部ドルトレヒトの本拠地に乗り込んだのが1部の古豪スパルタ・ロッテルダムだ。名将ディック・アドフォカート率いるチームは開始10分に早々と先制点を挙げる。スティジン・スピアリングスのパスを受けたロリス・ブローノが千金弾を決め、試合を優位に進めた。
 
 慎重にアウェーでリスクマネジメントをしながら、1-0での逃げ切りを模索するスパルタ。しかし終了間際、彼らを待ち受けていたのは信じられないドラマだった。
 
 自陣ゴールまで35メートルの位置で、先制アシストを決めたスピアリングスが球際の競り合いで大きくボールを蹴り出した。なんとこれがレーザービームのごとき弾道でスパルタ・ゴールへ一直線! 可哀そうだったのがGKロイ・コルツミットだ。手を伸ばせばなんとか弾けたはずだが、バックパスとジャッジされれば敵に関節FKを与えてしまうため、躊躇したのだろう。手を使わず、まさにダイビングヘッドでクリアを試みたが……。高さが足りずに無念のゴールインとなってしまった。

 
 目を疑うような自身のオウンゴールに愕然とするスピアリングス。英サッカー専門誌『Four Four Two』は「歴代ワースト級の強烈なオウンゴールが誕生した! これからオランダでは入れ替え戦の時期になればかならずリプレーされるだろう。一瞬の判断を強いられたGKは不運としか言いようがない」と報じた。
 
 しかし──。劇的だったのはここからだ。
 
 勝ち越しゴールを追い求めるスパルタは、なんと痛恨の失点から1分後、ロベルト・ミューレンが決勝点を挙げて2-1の勝利を飾ったのである。アドフォカート監督は「選手たちの執念が実った。スピアリングスは仲間に感謝していたね」とコメント。"恥ずかしい珍事"があっという間に"奇跡の美談"に変わったのだ。
 
 日曜日に開催されるホームでの第2レグに向けて、スパルタが大きなアドバンテージを握った。
 

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