「お前、ぶん殴るぞ」ユーチューバー化していた俊英FWに闘将ガットゥーゾが喝!

2018年05月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

愛のムチを打ったガットゥーゾ。

現役時代からメンタリティーを重要視してきたガットゥーゾ(左)からすれば、マストゥール(右)のピッチ外での振る舞いは許せなかったのだろう。 (C) Getty Images

 闘将らしい一喝だった。

 現地時間5月4日、イタリア・メディア『Football Italia』は、ミランの指揮官ジェンナーロ・ガットゥーゾが、モロッコ代表FWのハキム・マストゥールに対して言い放った"らしい"言葉を報じている。

「私は言ったんだ。『お前、歯を飛ばすぐらいにぶん殴るぞ』ってね」

 ガットゥーゾが脅迫めいた言葉を投げかけたのには確固とした理由がある。超絶的な技巧と創造性を兼備するマストゥールは、ミランの下部組織で育って「将来はクラブを背負って立つ逸材になる」と言われ、13-14シーズンのセリエA最終節では15歳でトップチームのベンチ入りを果たした逸材だった。

 しかし、その期待とは裏腹に伸び悩み、過去2シーズンはローンでマラガとズウォーレを渡り歩き、いずれもほぼノーインパクト。昨夏にはミランに戻りトップチームの練習に参加しているが、現時点でトップチームでの出場はゼロで、プリマベーラ(U-19チーム)で2試合プレーしたのみだ。
 

 そんなマストゥールが熱を注いでいたのが、自身のリフティングのスキルを『YouTube』にアップロードすること。2014年1月31日に公開したブラジル代表FWネイマールとの共演動画は900万強の再生数を記録するなど、モロッコ代表FWは事あるごとに動画を公開し続けていたのだ。

 ガットゥーゾは、ピッチ外で奔放な行動をしていたマストゥールにお灸を据えたのだ。しかし、「ぶん殴る」という厳しい言葉も、全選手をまとめるトップチームの監督としての"親心"から来るものである。鬼軍曹は次のようにも話している。

「確かに私は彼に脅迫めいたことを言ったよ。だけど、それは彼がプレーよりも動画をアップすることで有名になっていたからだ。ハキムとは何度も話し合っているし、最近数か月間のトレーニングでは改善点も見られるようになってきた。だから我々はプリマベーラでプレーさせることを決めたんだ。

 彼が乗るはずだった電車は通り過ぎてしまったが、ハキムは50歳ではなく、まだ19歳だ。何が間違いなのかをじっくり検討する時間はあるし、遅すぎることはない。一貫してプレーし続ける必要があるんだ」

 マストゥールとミランの契約は今年6月いっぱいまでとなっているが、残り少ない期間で本人がガットゥーゾの言いつけを守り、自覚を持ったプレーを続ければ、新たなキャリアを切り開くこともできるかもしれない。
 

次ページ【動画】マストゥールとネイマールのフリースタイル共演!

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事