先週末のリーグアンで話題を集めたのが、モンペリエMFが決めた甘美なループ弾だ。
 
　36節のナント戦、その51分だった。昨年１月に加入し、年明けからスタメン出場の機会を増やしていた南アフリカ代表、キーガン・ドリーが魅せる。ドリブルで中央を突破してマーカーひとりを振り切ると、そのまま左サイドにスライドしながら持ち込み、得意の左足でノールックのチップショットを繰り出す。このゴール前20メートルの位置から放った一撃が美しい弧を描き、相手GKの頭上を見事に抜いて……ゴールに吸い込まれたのだ。ドリーにとっては嬉しいリーグアン初ゴールとなり、圧巻のバク宙パフォーマンスで喜びを表現した。

 

　フランスのサッカー専門誌『France Football』は「自信に満ち溢れたシュートが決まり、モンペリエのファンを熱狂させた。ドリーが連敗を３で止める立役者となったのだ」と称え、クラブの公式ツイッターには書き込みが殺到。「溜め息が出るような美しいゴール」「メルシ（ありがとう）！　ナント戦のベストプレーヤーだった」「素晴らしいセンスだね」など、称賛の声が寄せられた。
 
　さらには南アフリカ人と思しきファンからのメッセージも多数。「キング・ドリーだ！」「我ら同胞の誇り」など賛辞のなかには、風貌がやや似ていて同じ左利き、アフリカ出身という共通点から、「南アフリカのサラーだ」との意見も。今シーズンのリバプールで大ブレイクしたエジプト代表FW、モハメド・サラーになぞらえたのだ。
 
　一夜にしてヒーローとなった25歳のアタッカー。試合はこのドリーの先制点で勢いに乗ったモンペリエが２－０で勝利し、順位を８位に上げている。