選手権で劇的弾のJ注目FW榎本樹が、昨冬の覇者・前橋育英を力強く牽引中!

2018年05月08日 安藤隆人

「新人戦決勝で負傷して、そこから思うようなプレーが...」(榎本)

昨年のインターハイで得点王。選手権決勝で優勝に導くゴールを決めている榎本は、今後の進路が注目されるひとりだ。写真:安藤隆人

 エースストライカーのエンジンがようやくかかって来た。

 前橋育英の長身FW榎本樹(3年)は5月5日、プリンスリーグ関東・5節の桐生一との"群馬ダービー"でチームの2点目を頭で決め、2戦連続となるゴールを奪った。

 昨年度のインターハイで得点王に輝き、選手権決勝ではチームを初優勝に導く決勝弾を叩き込んだ榎本。「去年はなんだかんだ言ってうまくいった1年でした。正直、ラッキーだと思う部分も多かった。でも今年は去年がある分、より厳しい環境下でのプレーになります。そこで自分の力が問われるので、重要な1年です。負けたら負けたで言われるし、勝って当たり前だという雰囲気になると思います」と語ったように、今年は真価が問われる大きなプレッシャーとの戦いの1年となる。そして、このプレッシャーは榎本だけでなく、チームにも大きく伸し掛かっている。

 今季は2月の県新人戦決勝で桐生一に0-1の敗戦。3月のサニックス杯で苦戦を強いられ、迎えたプリンスリーグ関東では開幕から2連敗を喫した。榎本も開幕当初は思うように結果を残せていなかった。

「新チームの出だしが大きく遅れ、僕自身も県新人戦決勝で負傷して、そこから思うようなプレーが出来なかった。昨年と違ってチャンピオンとして周りの目もありますし、本当に難しい戦いが続いています」(榎本)

 だが、彼らが決して力が無いわけではない。榎本も空中戦では圧倒的な力を見せつけ、快速FW室井彗佑(3年)、長短のキックで攻撃を操るボランチ・秋山裕紀(3年)、左のアタッカー・森隼平(3年)が絡む攻撃のレベルは高く、きっかけを掴めば一気に浮上してくるだけの力を有していた。
 
 ターニングポイントとなったのが、3節の山梨学院戦だ。チームは3-1の快勝を飾ってリーグ初勝利を挙げると、続く4節の川崎フロンターレU-18戦では榎本が2発のゴールを沈め、2-0の勝利で2連勝を飾った。

 そして、冒頭で触れたように5節の桐生一戦では、32分に森がFKからのこぼれを押し込んで先制すると、41分には榎本が秋山の左FKを高い打点のヘッドで突き刺して、2戦連発弾。後半終盤、県下のライバルに意地を見せられて2−2のドローで終わったが、「開幕戦を落とした段階で、中断前の第5節を2勝2敗1分けで乗り越えられれば良いと思っていた」と山田耕介監督が語ったように、最低限の目標は達成してインターハイ予選に臨む。

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