「『かかってこいや』ってのが僕らしい」 “ジェラード監督”が名門レンジャーズに突き付けた要求は?

2018年05月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

名声を笠に着ることはしなかったリバプールのレジェンド。

名門の再建を託されたジェラード。トップチームの監督としてのキャリアはないが、本人はやる気を漲らせている。 (C) Getty Images

 リバプールの偉大なレジェンドは、大きな決断を下した。

 現地時間5月4日、スコットランド・プレミアリーグのレンジャーズは、来シーズンからのトップチームの指揮官として、リバプールU-18で監督を務めていたスティーブン・ジェラードを招聘したことを発表した。

 この決定は、人生の大半をリバプールとともに歩んできたジェラードにとって大きな意味を持つ。

 リバプールのアカデミーで育ったジェラードは、1998年にトップチームデビュー。2015年1月にLAギャラクシーに移籍するまで、17年間を過ごした。16年11月に現役を退き、翌年から古巣のアカデミーコーチに就任。今シーズンからはU-18チームの指揮官を務めていた。

 一部ではリバプールで指導者としての研鑽を積み、トップチームの指揮官に昇格することを期待する声もあったが、偉大なるレジェンドは名声を笠に着ることはしなかった。

 周囲から愛され、多少の贔屓がある恵まれた環境ではなく、多くのプレッシャーに晒されるレンジャーズで、トップチーム監督としてのキャリアを始める決断を下したジェラードは、「リスクと真っ向から向き合う」とコメントしている。

「彼らからの電話は思いがけないものだったが、僕はリスクに直面することを恐れない。人生において、ときに挑戦することが大事な時があるんだ。そのリスクが成功に繋がるものなら、喜んでトライする。それは、僕が野心家だから言えることでもあるね。正しい場所にいると思っているし、『かかってこいや!』って姿勢が僕らしくもあるだろ」

 レンジャーズはスコットランド・リーグで54回の優勝を誇る、言わずと知れた強豪だが、12年7月に資金難を理由にクラブが破産してからは苦戦が続いている。

 同年に4部リーグで再スタートを図り、15-16シーズンにトップリーグへ返り咲いたものの、タイトルはいまだ手にできていない。今シーズンも首位に立つ宿敵セルティックとは勝点13差と大きく水をあけられての3位にいる。

 そんな苦しむ名門についてジェラードは、「歴史と伝統に大きな敬意を抱いている。ここで新しい旅を始めるのが待ち遠しい」とコメント。さらに新チームに対して、リバプールの元キャプテン"らしい"要求をしている。

「自信がなかったらこのオファーは受けなかったし、挑戦もしなかった。僕は長いことビッグクラブで働いてきたし、多くの偉大な監督の下で学んできた。経験不足は問題じゃないと思うし、プレッシャーも特に気にしないさ。目標? 試合に勝つことだ。それが僕のテーマであり、このクラブに対する要求だ」

 過去の栄光を取り戻すという大きな使命を与えられたジェラード。はたして、37歳の元イングランド代表MFは、監督としていかなるキャリアを歩むのか。興味は尽きない。
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事