【CL】リバプール、合計スコア7-6の僅差で11年ぶりに決勝へ! マドリーとの決戦は80-81シーズン以来

2018年05月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

ローマは十分にチャンスを作ったが…

十分なリードを持って試合に臨み、余裕もあったであろうリバプール(白)だが、わずか1点差のリードで試合を終えた彼らは精魂尽き果てていた。ついに11年ぶりに決勝の舞台へ! 試合巧者マドリーとの戦いはどのようなものになるのか!? (C) Getty Images

 5月2日(現地時間)、チャンピオンズ・リーグ(CL)準決勝の第2レグが行なわれ、リバプールが2-4でローマに敗れたものの、2戦合計スコア7-6で準決勝進出を決めた。
 
 敵地での第1レグではリバプールの圧倒的な攻撃力の前に5点を失ったローマだが、終盤の2ゴールでわずかに望みを繋いでいた。準々決勝バルセロナ戦で3点ビハインドをはね返した大逆転劇の再現を狙う彼らにとって、オリンピコでのリターンマッチでは何よりも先制点が求められた。
 
 その思いは試合開始直後からの積極的なプレーとなって表われ、いきなりのゼコのヘディングシュートに始まり、5分にもフロレンツィが惜しいミドルを放つ。気合十分のプレーでデュエルにも強さを発揮するホームチームは、徐々にゴールに近づいていた。
 
 ところが9分、自陣でのナインゴランの中途半端なパスをフィルミーノにカットされ、彼のスルーパスで抜け出したマネにGKとの1対1を難なく制されて、欲しかった先制ゴールを相手に奪われてしまった。
 
 痛恨の失点を喫したローマは、これで4点が必要となったが、15分、フロレンツィの右からのクロスをファーサイドでエル・シャーラウィが頭でゴール前に折り返すと、リバプールはロブレンがクリアするも、これが前にいたミルナーの頭にはね返ってゴールネットを揺らした。
 
 相手のオウンゴールというかたちで追いついたローマは、ポゼッションで上回りながら、守備では時折リバプールが見せるカウンターにも何とか対応。サラー、フィルミーノにはきわどいシュートを許したが、完全に崩されることはなかった。
 
 しかし25分、ロバートソンにドリブルで右サイドを突破されると、ニアでクロスに合わせたマネのシュートはGKアリソンが足に当ててセーブするも、直後のCKをゼコがクリアしようとして後ろに流れたところを、ヴァイナルダムに頭で押し込まれてしまった。
 
 再び4点を追うこととなったローマ。あまり無理をしないリバプールに対して攻勢を保ち、34分にはエル・シャーラウィが右に流れながら放ったミドルがミルナーの伸ばした足に当たって軌道を変え、ポストを叩いたが、これ以上のチャンスを作ることはできずに前半を終えた。
 
 ローマがボールを握り、リバプールがカウンターで対抗するという前半と同様の展開となった後半の立ち上がり、51分にホームチームは、エル・シャーラウィが左サイドを抜け出してシュート。GKカリウスが弾いたボールはフリーだったゼコの前に転がり、ローマのエースはこれをゴール左隅に流し込んで再び試合を振り出しに戻した。
 
ここからローマが敵陣深くでプレーする時間が長くなり、59分にデ・ロッシの縦パスを受けた交代出場のジェンギズがダイレクトボレーで相手ゴールを襲い、62分にはゼコのフリックから生まれた混戦でこぼれたボールをエル・シャーラウィがシュート。ボールは寄せたアーノルドの腕に当たったが、ハンドの笛は鳴らなかった。
 
65分にもコラロフの左からの惜しいクロスでリバプールDF陣を脅かすなど、次々にチャンスを作っていくローマ。守備では前半同様に相手に決定的なプレーは許さず、最も輝きを放ったマネの突破力に苦しみながらも要所を締めて対応、危ないシュートはフィルミーノの角度のないところからの1本に抑えて終盤に突入していく。
 
 ローマは各選手がやや疲れ、3点のリードを有するリバプールも相変わらず無理をしないことで、試合はやや膠着したが、ホームチームは再びギアを上げてボールを回し、シック、ゼコらがシュートを放っていく。79分にアーノルドがクロスをかぶり、ゼコがフリーでトラップした場面は決定機となったが、カリウスの好守が得点を阻んだ。
 
 85分、ペナルティーエリア外で横パスを受けたナインゴランが、狙いすました右足のシュートでポストを叩きながらもゴールネットを揺らして勝ち越しに成功し、アディショナルタイムにはジェンギズのトラップしたボールが相手DFの手に当たってPK獲得。ナインゴランが豪快に蹴り込んだが、これ以上、彼らに残された時間はなかった。
 
 結果的に、合計スコアではわずか1点差で勝敗が決することとなった。リバプールは先手を取り続けたことで余裕の展開とも言えたが、最後は薄氷の勝利で2006-07シーズン以来の決勝進出を果たした。
 
 今シーズンのCL決勝は、リバプールとレアル・マドリーという、チャンピオンズ・カップ時代の1980-81シーズン以来となる顔合わせとなった。当時は前者がアラン・ケネディの終盤の決勝ゴールで1-0の勝利を飾っているが、果たして今回は!? 決戦は5月26日、ウクライナ・キエフで行なわれる。
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