宮本恒靖×名波浩SP対談。クラシコ予想から日本サッカーまで語り尽くす

2018年04月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

宮本恒靖と名波浩監督によるスペシャル対談。リーガの魅力やクラシコの予想、リーガで活躍する日本人について迫る。

WOWOWで放送されるクラシコSP番組で宮本恒靖氏(写真左)と名波浩監督(写真右)が対談を実施した。 (C)WOWOW

 人気・実力ともに世界のトップを争うビッグクラブ、バルセロナとレアル・マドリー。この2チームが激突する伝統の一戦クラシコが現地5月6日(日)に行われる。

 その大注目の一戦を前に、2度のワールドカップで主将を務めたWOWOW解説者・宮本恒靖と、かつて日本代表の10番として活躍したジュビロ磐田の名波浩監督によるスペシャル対談を実施。リーガ・エスパニョーラの魅力、クラシコの予想、リーガで活躍する日本人、監督論、はたまた日本サッカーの未来まで鋭く迫った。

■天才レフティが考えるリーガの魅力
 「なんか変な感じですね」と宮本が話し、「なかなかゆっくり話す機会がないからなあ」と名波が応え、お互いがよそよそしい感じで始まったこの日の対談。しかし、宮本がリーガ・エスパニョーラについて話を振ると、サッカー談義は一気にトップギアへと入った。名波は、「僕が選手としても監督としても掲げていた美しくて面白いサッカーというのは、人もボールもよく動くもの。さらに攻撃のシュートシーン、シュートの前のアシスト、その前の崩しのシーンなどの回数が多いスペインリーグは楽しい」とリーガの魅力を説明する。

■名波が考えるバルセロナとレアル・マドリーの哲学
 名波はバルセロナに関する本を執筆するほどバルサに精通している。宮本からの「一番好きなバルサは?」の質問に対して、悩みながらも「やっぱりシャビ、イニエスタがいる時代かな。僕自身がポジションも似ているとこをやっていたので、彼らの運動量とボールタッチはいつも気にしてみていた」と名波は答えた。バルサの中心であるメッシについては、「(ジュビロ磐田の)選手によく言っているのは、「難しいことを簡単に見せるのがプロだよ、と。メッシなんか特にそうだよね」と絶賛していた。

 レアル・マドリーについては、自らが用意してきた15-16シーズン第31節のクラシコ(2対1でマドリー勝利)の試合データを引合いに出し説明。「バルサにあえてボールを握らせて、自分たちは、ショートカウンターやカウンターを意識したサッカーにしようとジダンは考えていたと思うんだけど、そのように腹をくくれるジダンというのを、このゲームで改めて感じた。それがチャンピオンズリーグ2連覇や、もちろんリーガ優勝にも反映されたんだと思う」と分析した。

 名波は、ジダンと現役時代にピッチ上で対戦している。その時の感想について、「すごく上手かったよね。一番上手かった。あの身体で、あんなボールの止め方するの?みたいな柔軟性。ワンタッチもノールックで出したりするけど、一体いつどこで見ているんだろう」と驚愕を覚えたと語った。

■クラシコを大胆予想! その結果は!?
 今季最初のクラシコは、2017年12月23日にレアルのホームで行われ、3対0でバルサが快勝した。気になる今回の勝敗については、「1対1か2対2のドローかな」と予想した。

 「バルサは今シーズンの立ち上がりの頃と比べると調子は横ばいで、今結果がついてきているのは個の力によるものという感じがする。レアルのロナウドの復調も考えると、バルサが勝つのは難しいのかな」と理由を説明した。

■乾がリーガで信頼を得た理由、柴崎が苦労している理由
 現在のリーガ・エスパニョーラで戦う日本人選手は、乾貴士(エイバル)と柴崎岳(ヘタフェ)。3シーズン目を迎えた乾は今やチームの中心として活躍。「一番大きな理由は、監督に認められたこと」と名波は説明する。

 宮本も「乾というとドリブルとか攻撃のイメージの選手だけど、最近は守備面での頑張りがすごい」と話せば、名波は「あえて言うならもう少し決定力は欲しいかな。もっと早いタイミングで人を使いながら違う選択肢やアイデアが生まれてくると、それこそバルサみたいなチームに入っても遜色なくできそうな気がする」と今後の活躍を期待していた。

 一方、リーガ1シーズン目となる柴崎について名波は、「個人的には、ものすごく良い苦労の仕方だと思う。決して監督に見放されているわけではないし、味方からボールが来ないわけでもない。どこが彼の一番良さを出せるのかというのを監督が探している最中なのかなと思う」と柴崎の現状を説明した。

次ページ日本代表についても言及。

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