「君こそ英雄だ!」「まさに救世主」2得点に絡んだ伊藤達哉を独メディアもファンも大絶賛!

2018年04月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

圧巻のスーパークロスでチーム2点目を導く

ヴォルフスブルク戦で出色の出来を披露した伊藤。その好調とハンブルクのV字回復は決して無関係ではない。(C)Getty Images

 またしても、ハンブルガーSVが神懸かってきた。4月28日のブンデスリーガ32節、チームは残留争いのライバルであるヴォフスブルクの敵地に乗り込み、3-1の快勝。ドイツ全国紙『DW』は、興奮気味にこうレポートした。
 
「負ければ降格決定の可能性もあったゲームで、ハンブルクは堂々たる勝ちっぷりを見せた。"ディーノ"はまだ死んでいなかったのだ!」
 
 ディーノとはドイツ語で恐竜を意味し、ハンブルクの愛称のひとつ。ブンデスリーガが発足した1963―64シーズンから一度も2部に落ちたことがないため、いつからかそう呼ばれるようになったのだ。2013-14シーズンに14-15シーズンと2年連続で降格の大ピンチに見舞われながら、なんとか16位に滑り込み、2部・3位との入れ替え戦を生き残った。

 
 とはいえ、さすがに今シーズンは命運が尽きたと、誰もがそう考えていた。ところがどうだ。最終盤に来て連勝を飾り、ここ5試合で10ポイントを叩き出している。土俵際での驚異的な粘りは、どうやら今シーズンも健在のようだ。大迫勇也を擁する1FCケルンの降格は確定してしまったが、残るひとつの自動降格枠を巡る争いは混沌としてきた。
 
 残り2節の状況で、4チームに絞られた。17位ハンブルク(勝点28)、16位マインツ(勝点30/残り3試合)、15位ヴォルフスブルク(勝点30)、そして14位フライブルク(勝点33)。1敗もできない崖っぷちの状況に変わりはないが、ラスト2ゲーム(フランクフルト戦とボルシアMG戦)で連勝を飾れば、ふたたびミラクルを起こせるかもしれない。
 
 そんなドイツ北部の名門で、存在感を高めているのが20歳の日本人MF、伊藤達哉である。同胞の主将DF酒井高徳とともに先発したヴォルフスブルク戦で、出色のパフォーマンスを披露した。
 
 序盤から左サイドで精力的に仕掛けていたU-21日本代表は、まず43分に喉から手が出るほど欲しかった先制点を導き出す。エリア内へ果敢に猛進し、相手選手ふたりを交わしにかかったところで倒され、PKをゲットしたのだ。これをボビー・ウッドが冷静に決めて、アウェーチームがリードを奪った。
 
 そして圧巻は、チームの2点目をもたらした伊藤のスーパークロスだ。

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