「ホンダはまるでクライフのようだった」勇退するVVV会長が本田圭佑への熱き想いを明かす

2018年04月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

ベストプレーヤーは誰だったかと問われて

VVVに在籍したのは2年。鮮烈な印象を残したその活躍は、いまだベルデン会長のみならず、ファンの心にも深く刻まれている。(C)Getty Images

 オランダ・エールディビジの名物会長が、今シーズンいっぱいで勇退する。VVVフェンロのハイ・ベルデン会長だ。
 
 2003年夏に同クラブのトップに立つと、独自の強化費捻出力とスカウティング網を駆使し、2部の中堅だったクラブを飛躍させた。複数の日本人選手に門戸を開いたことでも有名で、本田圭佑、吉田麻也、カレン・ロバート、大津祐樹らが籍を置き、元日本代表MFの藤田俊哉氏がトップチームのコーチを務めたこともある。親日家であるハイデン会長の存在がなければ、いずれも実現しなかっただろう。
 
 そんな68歳の会長が地元紙『De Limburger』の取材に応えた。インタビュアーに「在任中のベストプレーヤーは誰でしたか?」と問われ、即座にこう答えたのだ。
 
「ケイスケ・ホンダしかいない。すべての面で彼がベストだったよ。スポーツ的な側面はもちろん、そのメンタリティーも本当に素晴らしかった。わたしは後にも先にも、あんな強烈な個性を持った人物に会ったことがない」

 
 そして、オランダ・サッカー界に燦然と輝くレジェンドに本田をなぞらえる。
 
「彼はあらゆることを限界のレベルにまで高めようと努力していた。あのキャラクターはどこかヨハン・クライフを彷彿させるものだったね。反逆児とでもいうか、独自の強い信念を持っていて、みずからのスタンスを常に貫いていた。我々が日本人にイメージする控えめな印象は、彼にはまったく当てはまらなかったからね」
 
 2008年冬、名古屋グランパスからVVVに移籍した本田。1年目にいきなり2部降格を経験するも、1年で1部復帰に導く大車輪の活躍を見せ、一気に声価を高めた。在籍したのはわずか2年間ながら、鮮烈なインパクトを残したのだ。以降はCSKAモスクワ、ACミラン、パチューカと渡り歩き、現在に至る。
 
 古巣のVVVは昨シーズンの2部で優勝を遂げ、5年ぶりに1部復帰を果たした。今シーズンは中位を彷徨っていたが、前節に残留が確定。「来シーズンに繋げられてホッとしたよ」と笑うベルデン会長にとって、日曜日のローダJC戦が最後のホームゲームとなる。
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