ハリル解任に疑問を投げかける槙野智章のメッセージ…「JFAの決断に落胆」「問題は存在しなかった」

2018年04月27日 羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb)

協会の決断に改めて疑問を投げかけたハリル。

90分間に渡る会見でハリルホジッチが口にしたのは、選手やスタッフとの関係に問題がなかったというものだった。 写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 4月27日、日本代表監督を解任されたヴァイッド・ハリルホジッチ氏が日本記者クラブで会見を行なった。

 今月21日、羽田空港に再来日した際に応じた取材では、「何が起きているのかまだ理解できていません。真実を探しに来ました」と、樋渡群通訳とともに涙ながらに語っていたが、今回の会見では追い求めた"電撃解任"の真相がどこにあるのかが注目を集めた。

 日本サッカー協会の田嶋幸三会長はハリルホジッチ氏を解任した理由として、「選手やコーチとの摩擦はあると思いますが、それを把握した上で今回はそれを超えてしまったので決断を下しました」と語ったが、前監督は「(協会の人間は)誰も何も教えてくれなかった」と明かし、「不満を言っている選手は本当に知らない」と展開した。

 本当に不満を漏らした選手とスタッフはいなかったのか――ハリルホジッチ氏がその"証拠"として提示したのは、解任発表後に選手やスタッフから寄せられたメッセージだ。
 
「私の方には感謝しているとメッセージを15人ほど送ってきているんです」と明かしたボスニア人指揮官は、そのなかで浦和レッズに所属する槙野智章から受けた言葉を抜粋して紹介している。

『JFAの決定に非常に落胆しており、びっくりもしています。監督とのコミュニケーションに問題はなかった。チームの一員として、私たちのコミュニケーションをさらに良くすることは必要かもしれませんが、正直にもう一度言います。私の認識ではそういう問題は存在しなかった。監督のおかげで私は随分と進歩できた。すごく厳しい監督で、厳しい指摘も受けたが、そのおかげで今の私がある。苦しい時間も嬉しい時間もあった。ハリルホジッチ監督のワールドカップが是非見たかった』

 手塩に掛けた教え子からのメッセージに胸を熱くさせた65歳の老将は、「本当にコミュニケーションに関して問題はなかった」と断言したうえで、「協会は大きなリスクを背負うことになった。本当にこれで良かったのだろうか」と、改めて今回の解任に改めて疑問を投げかけた。

取材・文●羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb編集部)
 
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