【現地発】苦しみを乗り越えて“ハマった”ホッフェンハイムのラストスパートに要注目!

2018年04月27日 中野吉之伴

昨シーズンのような躍動感が戻って来た!

残り3試合の相手はハノーファー(試合は本日開催)、シュツットガルト、ドルトムント。CL圏内入りの可能性は十分にあるだろう。 (C) Getty Images

 ホッフェンハイムが好調だ。
 
 現在、8試合連続無敗中。前節ではチャンピオンズ・リーグ(CL)出場圏を争うRBライプツィヒとの直接対決で5-2と快勝し、4位レバークーゼンとの勝点差を2に縮めている。
 
 昨シーズンを4位で終えたクラブの今シーズンは、不運とともに幕を開けた。CLプレーオフでの対戦相手が、現在、CL決勝進出まであと一歩というところまでこぎつけているリバプールだったのだ。
 
 強豪との対戦に加え、主力だったドイツ代表DFニクラス・ジュレとMFセバスティアン・ルディが、ともにバイエルンへの移籍を決断し、その穴を埋める新たな戦い方がまだ手探り状態だったという事情もあった。健闘はしたものの、完成度・力の差は歴然だった(合計スコア3-6で敗退)。
 
 シーズンが本格的にスタートしても、スタメンの理想的な組み合わせはなかなか見つからない。内容的にも連係ミスが多く、うまく上位浮上のきっかけを掴めないでいた。
 
 また、ブンデスリーガ、DFBカップ、ヨーロッパリーグ(EL)と、3つの大会を戦い抜く負担は、やはり非常に大きかった。新加入選手にチーム戦術を植え付けたくても、主力組にいかに休息を取らせるかを重要視せざるをえない。
 
 ユリアン・ナーゲルスマン監督としても、チームとしてトレーニングで問題を修正したり、新しいことにチャレンジしたりする余裕がなかなか持てないという、葛藤のなかにいた。
 
 それでも何とかそれらをしのいで戦い続け、前半戦を7位で折り返したのは立派だったと言える。
 
 ELはグループステージ敗戦となってしまったが、国内リーグに集中できるようになったことで、後半戦は少しずつ自分たちのリズムを取り戻してきた。
 
 冬の準備期間に取り組んだ成果が出るまでには多少の時間がかかったが、各選手のコンディションが上がり、チームとしてのかたちが出来上がったことで、昨シーズンのような躍動感が、ここ最近の試合からは見られようになった。
 
 好調のチームを支えるのが、アンカーを務めるフロリアン・グリリチュだ。昨シーズンまで攻守の要を担っていたルディの穴を埋めるのは簡単なことではなく、若手のデニス・ガイガーやドイツ代表のケレム・デミルバイなどが試されたが、どれも一長一短で、最適解ではなかった。
 
 ブレーメン時代から攻撃的なセンスを高く評価されていたグリリチュは、それまでひとつ前のポジションで起用されることが多かったが、アンカーでの起用がハマった。ホッフェンハイム移籍後、攻守におけるポジショニング、ボールへのアプローチ、ゲームコントロールが大きく改善され、今や不可欠な存在に成長している。

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