英誌がFAカップ準決勝「歴代ベスト」を発表! 1位は名手ギグスが魅せた伝説の独走弾が…

2018年04月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

延長109分、世紀のゴラッソがミラクルを起こす

名勝負にケリを付けたのは、ギグスの60メートル独走弾だった。キャリア最高のゴールと評される。(C)Getty Images

 今週末にイングランドで開催されるのが、FAカップの準決勝だ。今シーズンで137回目を数える世界最古のトーナメント戦。土曜日にマンチェスター・ユナイテッド対トッテナム・ホットスパー戦、日曜日にはチェルシー対サウサンプトン戦が行なわれる。
 
 大注目のセミファイナルを前に、英サッカー専門誌『Four Four Two』が同大会の準決勝における歴代ベスト10を選定し、ウェブサイト上で発表した。その栄えある1位に輝いたのは、1998-99シーズンのレジェンドマッチ。バーミンガムのビラ・パークが舞台となった、マンチェスター・U対アーセナル戦である。99年4月11日のゲームが0-0に終わり、規定により同じ会場で3日後に再試合が実施された。
 
 まず均衡を破ったのは17分、ユナイテッドだった。デイビッド・ベッカムの狙い澄ましたミドルが決まり、幸先良く先制点を奪う。だが前シーズンにプレミアリーグとFAカップのダブル(2冠)を達成した最強軍団アーセナルも負けてはいない。69分、デニス・ベルカンプの放った一撃がディフレクトしてゴールに吸い込まれ、同点に追いついた。

 その後は劇的なシーンの連続だ。74分にユナイテッドはマルク・オフェルマルスにロイ・キーンがレイトタックルを仕掛けてしまい、警告2枚目で退場となる。数的劣勢を強いられると、アーセナルの猛攻に晒され、防戦一方の展開に。そしてアディショナルタイム2分、フィリップ・ネビルがレイ・パーラーをエリア内で倒して、痛恨のPK献上。キッカーは"アイスマン"ベルカンプ。しかし──。この大ピンチを守護神ペーター・シュマイケルのスーパーセーブで切り抜けるのだ。
 
 ワンチャンスに賭けていたユナイテッドに奇跡が起こるのは、延長戦に入ってからだ。109分、パトリック・ヴィエラの横パスをカットしたライアン・ギグスが、ハーフウェイライン付近から単独ドリブルを開始する。なんとそのまま力強いボール運びと巧みなステップで相手マーカーを次から次へと手玉に取り、エリア内に侵攻。最後は豪快な左足ショットで敵GKデイビッド・シーマンを抜いたのだ。

 

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