なぜ守田英正は王者川崎の即戦力になれた? 元チームメートが証言する「ピカイチ」のある能力

2018年04月16日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

「川崎にはいないタイプのボランチだと思う」

地味ではあるが、仙台戦で守田は効果的に走り回っていた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ8節]仙台 0-0 川崎/4月14日/ユアスタ
 
 昨季王者の川崎で、大卒ルーキーの守田英正が初先発を飾った。
 
 8節の仙台戦、大島僚太とのコンビでスタートからボランチに入ると、守田は最終ラインへのカバーを繰り返した。それが最も顕著に表われたのは6分のシーンだ。仙台がカウンターからゴール前で西村拓真のシュートチャンスを迎えたものの、全力で戻った守田がスライディングでブロックし、あわや失点のピンチを防いだ。
 
 そのほかにもシンプルにパスを捌きつつ、空いているスペースをランニングで突くなど、地味ではあるが攻守両面で効果的な働きを見せていた。いかに多くのプレーに関わっていたかは、チーム内トップである12.179kmの走行距離からも窺える。
 
 C大阪とのゼロックス・スーパーカップでデビューし、ACLグループステージ2節・蔚山現代戦でプロ初先発。そして、途中出場が多かったリーグ戦でもスタメンになり、守田はまたしても階段を一段上っている。
 ではなぜ、守田は新人ながら川崎で即戦力になれたのか。守田をプロのピッチで敵として、また流通経済大時代のチームメートとして見てきた、仙台のジャーメイン良が考える理由を説明してくれた。
 
「やっぱり、守備力が高くて、どこのポジションもできる。(だから)とりあえず、ベンチに置こうという気持ちになると思う。あとは、基礎技術があって、カバーリングもピカイチ。そこは、流(通経済)大の頃から凄かった。川崎にいないタイプのボランチだと思う」
 
 前述の6分のカウンターの起点になったのはジャーメインだ。それだけに、最終的に守田に防がれて、してやられた気持ちだっただろう。ただそれは、互いに良さを出したシーンでもあり、「不思議な感覚だけど、やっぱり楽しかった」と仙台の若きアタッカーは頬を緩ませながら振り返った。
 
 仙台対川崎では流通経済大のふたりが躍動した。これからも才気あふれるルーキーの活躍に注目したい。
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