「新監督は保守的」「DNAを呼び覚ますしかない」米メディアのアジア通記者が日本代表の行く末を…

2018年04月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

「いまさら感がある。もっとも相応しかったのは10年も前の話」

技術委員長のポストを辞し、日本代表監督の重責を担うこととなった西野氏。短い時間でどんなチームに仕上げていくのか。(C)Getty Images

 ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督の電撃解任を受け、日本代表は西野朗新監督の下でリスタートを切る。4月12日、日本サッカー協会理事会で正式承認され、そのまま指揮官は記者会見に臨む予定だ。
 
 もはや後戻りなどできないが、事態はそう簡単に収まりそうもない。フランス・リールで複数の日本メディアの問いかけに応えたハリルホジッチ氏が怒りをぶちまけ、「再来日してすべてを明かす」と話したからだ。まだひと波乱もふた波乱も起こりそうである。
 
 いずれにせよ、今回の騒動は欧米メディアでも大きく取り扱われている。そんななか、米スポーツ専門チャンネル『ESPN』のアジア通記者、マーク・デュアデン氏もコラムを掲載。「アキラ・ニシノが率いる日本はワールドカップでインパクトを与えられるのか?」と題し、論調を展開している。
 
「ハリルホジッチにとってはさぞや痛恨だっただろう。コートジボワール代表を率いていた8年前にも、ワールドカップ開幕の4か月前に更迭されたのだから。そのこと自体には同情するほかない。今回の日本サッカー協会の判断は遅きに失した感が否めないが、個人的には、ニシノを監督に任命するのもいまさら感がある。彼が代表監督にもっとも相応しかったのは、10年も前の話である」

 
 西野氏がアトランタ五輪で起こした"マイアミの奇跡"やガンバ大阪での実績などを紹介しつつ、デュアデン記者は「指揮官としてのニシノは保守的である」と結論付けた。そして、「彼こそがまさに日本代表の後任監督に適した人材だったのだろう。ワールドカップまで2か月前のタイミングで新指揮官に求められるのは、斬新な変化ではないのだ。プレジデント・タジマ(田嶋幸三会長)が説明したように、日本が大事にしてきたスタイルへの回帰にほかならない」と説明した。
 
 さらに、こう続けている。
 
「ハリルホジッチは日本をカウンターアタック型のチームに変え、ゲームに対してより強さと激しさを選手たちに求めた。だがこれからの2か月で、日本は自分たちがベストと考えるスタイルに立ち返るのだろう。多くのパスを繋いで、可能な限りポゼッションを維持するあの形にだ。言わばこのサムライブルーのDNAを呼び覚ます以外、残された短い時間でできることはない。日本はそれを実現することで、6月19日(コロンビア戦)に向けてまだ間に合う、状況を好転できると信じているのだ」
 
 最後にデュアデン記者は、前政権下で不遇だった香川真司、岡崎慎司、本田圭佑の3人衆についても触れ、「ロシア行きの可能性はグッと高まるだろう」と予測している。
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事