ハリル解任に対するスペインや中南米メディアの反応は…「アンビリーバブル!」「時期外れの解任劇」

2018年04月10日 山本美智子

90年W杯のコスタリカ代表にも90日の時間があった。

スペインや中南米のメディアも、「2か月前」というタイミングでの解任劇には驚きを隠さなかった。(C)REUTERS/AFLO

 日本サッカー協会が、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督をこのタイミングで解任したことは、全世界的に驚きを持って受け止められている。

 スペイン紙『Marca』は、「日本サッカー協会が、W杯まで2か月というタイミングで代表監督のハリルホジッチを解任」と見出しを打ち、「日本代表選手の一部は、その厳しいメソッドに不満をこぼしていた」と解任の理由を説明。『AS』紙も「W杯の開幕まで2か月のところでハリルホジッチを解任」とほぼ同じような見出しを打ち、「驚くべき発表」と今回の決定について形容した。

 またその『AS』紙は、「ハリルホジッチが出て行くのは、W杯の開幕目前のタイミングであり、このようなことはかつて起きたことがない」と表現。「1990年のW杯で開幕直前にコスタリカ代表監督に就任し、チームをベスト16に導いたボラ・ミルティノビッチさえも、90日(約3か月)の時間が与えられていた」と、過去の例を紹介している。
 
 ホンジュラスの『Diez』紙は、「アンビリーバブル! 日本がW杯の2か月前に代表監督を解任!」との見出しを打ち、「ハリルホジッチは2010年にコートジボワールで起きたのと同じように、W杯の出場権を勝ち取りながら、大会でチームを率いることができない状況になった」と、W杯出場を可能にした代表監督を、このタイミングで解任した協会の判断を疑問視するような論調で報じた。

 日本と同グループに入ったコロンビアの『El Periodico Deportivo』紙は、「時期外れの解任劇」により、アキラ・ニシノが内部昇格で新監督に指名されたと紹介している。

 日本協会の決定に敬意を表し、事実を述べるに止めている報道がほとんどだが、W杯における日本の注目度がこの件で一気に高まったことだけは確かだ。
 
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