【日本代表】希望の合言葉は「とにかく大迫に預けろ‼」

2018年04月10日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

なんらかの拠りどころは必要だ

マリ戦ではポストプレーが光った大迫。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 2018年4月9日にヴァイッド・ハリルホジッチ監督が解任されて、ここから事態が好転する保証などどこにもない。むしろ現時点で募るのは不安である。
 
 代表の現状に希望を見出せない理由のひとつは、攻撃の形がまったく見えない点にある。例えばザックジャパンなら"左で崩して、右で仕留める"というコンセプトがあった。しかし、現代表にはそういう型が存在しないのだ。
 
 マリ、ウクライナと戦った3月遠征は内容が悪く、しかも結果も残せなかった(マリに1-1の引き分け、ウクライナに1-2の敗戦)のだから、せめてなんらかの拠りどころを作る必要があるだろう。ワールドカップの本大会までもはや時間がないという状況で提案したいのが、「とにかく大迫に預けろ」だ。
 
 杉本健勇も小林悠も3月の連戦で不本意な出来に終わっており、今や最前線で頼れるのは大迫しかいない。代表戦でなぜかゴールが少ない彼も、優れたポストプレーからのチャンスメイクには大きな可能性を感じる。だとするなら、ベースとしてとりあえず大迫にボールを預けるという共通意識をチームに浸透させるべきではないのか。

 ケルンでの大迫を見ても、前線でボールをキープできる場面は多いし、今の彼なら世界の列強と渡り合える可能性はある。
 
 もちろんここまでもある程度は大迫にボールを集めた試合もあったが、正直、"型"にはなっていない。オフェンスのパターンがいまひとつ決まっていないから、選手たちは判断が遅れ、良い攻撃を仕掛けられないでいるのだ。
 
 ならば、分かりやすく前線のターゲットマンを明確にすればいい。とりあえず"ここ"にボールを集中させるという拠りどころができれば、選手個々のプレースピードも必然的に速くなるはず。極端なことを言えば、敵のプレッシャーが厳しくパスの出しどころに困ったら、躊躇せず大迫めがけてボールを蹴ればいい。
 
 精度云々ではなく、相手にそういうイメージを刷り込ませるのが肝なのだ。その前提を経て、例えば大迫が中盤におりてきて、敵のマーカーを引っ張り出せたら、それで空いたスペースを狙うこともできる。
 
 古典的で陳腐な発想かもしれないが、型がないよりはあったほうが断然マシだ。
 
文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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