【川崎】「やりたい放題にやれた」神奈川ダービーを終え、中村憲剛が漂わせる王者の風格

2018年04月09日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「点を決めていればたぶん、それで終わっていた試合」

この日もテンポ良く効果的なパスを配給した中村。試合には勝てなかったが、内容では横浜を圧倒してみせた。(C)SOCCER DIGEST

[J1リーグ第6節]横浜1-1川崎/4月8日/日産ス
 
 今季初の横浜と川崎の"神奈川ダービー"は1-1の痛み分けに終わった。
 
 ただし、内容で勝っていたのはアウェーの川崎だった。とりわけ前半は持ち前のパスワークで、ホームの横浜を長い時間、押し込んでいた。
 
「いつも通り、相手の嫌なところを突きながら圧倒するっていうのはできていた」
 
 そう中村憲剛は振り返る。7分、背番号14は家長昭博とのコンビネーションで決定機を演出。その後も川崎は11分、15分、18分とゴールチャンスを積み上げた。
 
 お互いにポゼッションを重視するスタイルだが、ボールを握り、相手ゴールに迫ったのは川崎のほうだった。「展開的にも自分たちの思った通りにやれて、相手の最終ラインを、ズタズタにじゃないですけど、やりたい放題にやれた」。スタジアムにいる多くの人間も、中村と同じ感想を抱いたはずだ。
 
 しかし、横浜の粘り強い守備もあり、ネットを揺らすことができない。
 
「点を決めていればたぶん、それで終わっていた試合だと思う。そのツケは後半に来ますから」
 
 58分に家長のゴールで先制に成功したが、その3分後にはCKから中澤佑二に決められて追いつかれる。結局、試合はそのままドロー決着に。
 
 決めきる力がほんの少しだけ足りず、勝利を掴めなかった。それでも、中村は悔しさをその表情に滲ませつつも、気丈に前を向く。
 
「まあ、やるしかないですけどね。こういう試合は今までにもありましたし、下を向いてもしょうがないので」
 
 目の前の試合に全力を注ぎながらも、結果に一喜一憂しない。長いシーズンを見据え、泰然と構える。それは王者の風格とも言えるか。今節の勝点1で、2位に浮上した。一歩一歩、連覇への道を着実に前へと進んでいるのは間違いない。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
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