繋ぐだけなんて言わせない!プレミア開幕戦で柏U-18が見せた新スタイルは「上手くて強い」

2018年04月08日 平野貴也

新たな挑戦はポゼッションスタイル以外で勝つという意図的な変化

森(9番)のゴールなどで柏U-18が磐田U-18を撃破!写真:田中研治

 若き新監督を迎えた柏U-18は「上手くて強い」チームに変貌しようとしている。

 ユース年代の最高峰である高円宮杯プレミアリーグが7日に開幕。EASTに所属する柏U-18は、2-0で磐田U-18を破って白星スタートを切った。伝統のポゼッションの上手さだけでなく、鋭いカウンターアタックやセットプレーからの得点、中盤における激しい守備など、新たな一面を披露。例年と一味違う印象を残した。

 試合では、風上に立った前半に2点を奪った。序盤は、初昇格の勢いを前面に出してきた磐田U-18と互角の展開だったが、得意のポゼッションで次第にペースを掌握。32分、真家元彦(3年)の鋭い縦パスで貞廣大輔(3年)が抜け出すと、低いクロスに飛び出した森海渡(3年)がランニングボレーを決めて先制。さらに37分、左CKのこぼれ球を山田雄士(3年)が決めてリードを広げた。

 後半は風下になったが、冷静な試合運びで相手にペースを譲らなかった。ショートパスとドリブルを使って攻める磐田U-18の攻撃を中盤で封殺。ロングパスにもしっかりと対応し、被シュート数1本に押さえて完勝した。

 小学生のジュニア年代からプロであるトップチームまで一貫したチームスタイルを持つことで知られる柏の強みは、ボールを支配して試合の主導権を握るポゼッションだ。育成組織は、全カテゴリーで高い評価を得ている。一方、クロスやシュートの思い切りを欠き、パスを回すだけで点を取り切れずに負けるというパターンも目についた。

 しかし、今季はポゼッション以外でも勝つという意図的な変化に挑戦している。主将の杉井颯(3年)は「例年通りの(相手の)間でポン、ポンとつなぐ攻撃があって、そこにプラスしてクロスやセットプレーで点を取りたい。レイソルはボールを持ったらパスをつないで、つないで……というイメージが強いと思うけど、今年は前線の選手が速いので、カウンターもどんどん狙う」と攻撃のバリエーション増に取り組んでいることを強調した。

 2点目を奪った山田も、「全員でハードワークをして、上手くて強いというのが今年のチームコンセプト。ボールを握るだけでは点を取れないということは、僕たちの世代が上の世代に混ざって試合を経験させてもらって分かってきたこと」とチームが目指している変化について話した。

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