【現地発】今季11点目をゲットした森岡亮太。“十八番" の股抜きが減少した背景に成長を見た

2018年04月07日 中田徹

「邪魔だ」と思えば、味方も股抜きでいなしていたベベレン時代

今シーズンの11ゴール目をマークした森岡。ベルギーで研鑽を積む男は着実に進化を続けている。(C) Getty Images

 現地4月6日に行なわれたベルギーリーグ・プレーオフ1のシャルルロワ戦で、アンデルレヒトの森岡亮太が今シーズンのリーグ戦11ゴール目を記録した。
 
 開始3分、左サイドでルーズボールを拾った森岡が、ノールックでサイドチェンジ。アンデルレヒトが右サイドを崩す間にゴール前に走り込んだ日本代表MFの下へ、ラザル・マルコビッチからワンバウンドのクロスが通る。これを森岡がジャンプしながらタイミング良く左足ボレーで合わせ、先制点を決めた。
 
 森岡にとってはアンデルレヒト移籍後4点目。そのうち3つは、右サイドから来たクロスにゴール前でピンポイントに合わせたストライカーのようなゴールだ。
 
 前節のヘント戦では、味方からのクロスに対して森岡が、「入りきれないシーンがいくつかあった」という。その反省を踏まえてシャルルロワ戦では、「試合前から出来るだけ、そこに間に合うように意識してました」と心がけ、しっかり結果を残した。

 

 名門アンデルレヒトの中心選手の一人として存在感を増しつつある森岡だが、移籍してからというもの、彼の魅力の一つでもあった股抜きのプレーが影を潜めている。
 
 ワースランド=ベベレン時代の森岡は、パスやシュートなど、多彩な股抜きでファンを魅了し、目の前のチームメイトすら「邪魔だ」と思えば、股抜きで交わしたほどだった。
 
 アンデルレヒト移籍後、最初の試合となったメヘレン戦のウォーミングアップでも、森岡はしっかり股抜きを披露していた。しかし、このデビュー戦の前半に自陣で股抜きを試みて、ボールをロストしてしまった。以降、森岡の股抜きはまったくと言っていいほど見られなくなってしまった。
 
 はたして、この不用意だった股抜き失敗以降、森岡は自らの十八番を封印しているのだろうか。「いや、(メヘレン戦の股抜き失敗は)全然記憶にないです。股抜きを封印したとかも全然ないです」と前置きしたうえで、森岡は自身のプレースタイルの変化を説明してくれた。
 
「ベベレンの時は、自分がボールを持って前に向いて、走る選手にパスを通したりしてました。攻撃で一番いいコースって、相手のDFが消しているコースなんですよ。目の前のDFがそこをケアしているから、逆に後ろにいるDFはそこをケアしてない。そこにパスを通せば味方が1対1になるので、よく股抜きを使っていただけです。いまは自分のプレースタイルが違うし、股抜きを使うシーンも全然ないです」(シャルルロワ戦後の森岡)
 

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