公式戦無敗は偶然ではない!仙台を支える課題抽出と改善の好サイクル

2018年04月06日 小林健志

中野がFC東京の久保をきっちりケア

3-0でFC東京を下した仙台は、Aグループの2位に浮上した。(C)J.LEAGUE PHOTOS

 ルヴァンカップのグループステージ3節・仙台対FC東京は、ここまで公式戦負け無しの仙台が好調ぶりを発揮し、3-0でFC東京に快勝した。
 
 28分にGK林彰洋が弾いたこぼれ球をジャーメイン良が押し込むと、42分には阿部拓馬、ジャーメイン、中野嘉大の流れるようなパス交換から逆サイドに展開し、蜂須賀孝治が右足シュートを決めて2点差に。さらに、68分にも蜂須賀が左足ワンタッチで美しい軌道のシュートを叩き込み、今季公式戦初となる複数得点での勝利を収めた。
 
 仙台の攻撃面がクローズアップされる試合となったが、無失点に抑えた守備も見逃せない。この試合、仙台の渡邉晋監督は当初相手の中盤がダイヤモンド型でトップ下を置くならば3-5-2、ダブルボランチで来るのであれば3-4-3で臨むことを想定していた。
 
 しかし、「昨晩シミュレーションする中で、相手がダブルボランチで来ても3-5-2で行ったほうが良いとイメージが湧いてきた」と3-5-2の採用に踏み切り、中盤の中央3枚は、右のインサイドハーフに富田晋伍、左のインサイドハーフに中野を配置し、その後ろのアンカーに庄司悦大を置く形とした。
 
 庄司が22分に負傷交代したため、昨年10月1日の浦和戦以来の出場となる梁勇基を右インサイドハーフに入れ、富田をアンカーに下げる形となったが、おおむね守備は破綻なく推移した。
 
 梁や富田といったベテランの経験に基づいた守備も光ったが、効果的な働きを見せたのは、攻撃でも2得点に絡んでいた中野だった。
 
 前半、中野が特に多くマッチアップしたのはFC東京の久保建英。久保は今季リーグ2節の仙台との対戦時は途中出場している。その試合で仙台は、久保に対して厳しく寄せに行ったが、独特のリズムのドリブルでかわされ、何度か決定機を作られてしまった。
 
 今回も久保は右サイドハーフの位置からドリブルで中央へ向かおうとしたが、立ちはだかったのは中野だった。
 
「初めての対戦でしたが、相手は上手いと思ったので、あまり飛び込まないことを意識しました」
 
 タイプ的に久保と似ているドリブラーでテクニシャンの中野は、久保の独特の間合いをよく見極め、ドリブル突破を何度も防いだ。

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