【浦和】トップチームで師弟関係再び!大槻毅暫定監督と荻原拓也の固い絆

2018年04月05日 塚越 始

プロへの道を諦めずトライできたのも、大槻監督がいたからこそ

デビュー戦で2ゴールを奪うインパクトを残した荻原は、新監督の下でも結果で恩返しするつもりだ。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

「力を貸してくれ」
 
 就任した直後の浦和の大槻毅暫定監督から、新人の荻原拓也はそのように声を掛けられ、心を熱くした。
 
「自分も力になれる、求めてくれていると思えたので、その期待に応えたいです」
 
 そう語る荻原が、浦和ユース時代に指導を受けたのが浦和ユースのダイレクター兼監督を務めていた大槻氏だった。「(練習中に)タクヤ!って声を掛けられたのは懐かしいというか、久しぶり。(トップチームでは)オギ、オギでしたから」。
 
 4月1日のリーグ5節の磐田戦(1-2)からスタメン総入れ替えで臨んだルヴァンカップ・グループステージ3節の広島戦、荻原は先発に名を連ねた。「自分らしさを出していきたい」と積極的に前線へ繰り出そうとしたが、広島のタイトな守備を切り崩してチャンスを作り出すまではできず途中交代に。試合はスコアレスドローに終わった。
 
 ルヴァンカップ1節・名古屋戦(4-2)でのスタメン抜擢での2ゴールデビューなど堀孝史前監督への感謝ももちろん忘れていない。とはいえ「期待に応えられない不甲斐なさ。もっと自分が何かできたのではないかと思っている」と、新人レフティは今回の監督交代劇の責任を痛感している。
 
 そしてスクランブルとはいえ、再び大槻監督のもと、今度はトップチームでプレーすることになった。荻原は大槻監督について、「常に明るく、元気があって、とても選手とコミュニケーションを取ってくれて、勝利のために、ということを一番考えてくれる熱い監督です」と語る。ユース時代、プロへの道を諦めずトライできたのも、大槻監督がいてくれたからこそだと感謝をする。
 
「僕の場合、(ユース時代に)試合に出られない時期もあり、その時でも『お前には左足のキックとスピード、その武器がある』と、常に大槻さんはその武器やサッカーに対する姿勢を期待してくれて、その期待に応えなければいけないと思ってきて、今に至っています。だから恩返しと言いますか、また仕事ができるので、結果を残したいです」
 
 プロとして一緒に戦える喜び、そして厳しさ。18歳の荻原が浦和の力になろうと、全力でピッチを駆け抜ける。
 
取材・文:塚越始(フリーランス)
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