ネイマールとは真逆!? オーバメヤンがハットトリックを捨ててPKを譲った理由は?

2018年04月04日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

カムバックしたフランス代表FWのために…。

ハットトリックを捨ててPKキッカーをラカゼットに譲ったオーバメヤン。冬に加入したストライカーの粋な計らいだった。 (C)Getty Images

 プレミアリーグ31節のストーク戦で、アーセナルのFWピエール=エメリク・オーバメヤンが素晴らしい"チームプレー"を披露した。
 
 2-0で迎えた試合終盤の出来事だった。89分、アーセナルがPKのチャンスを得る。キッカーはすでに2ゴールを決め、ハットトリックがかかっていたオーバメヤンだと誰もが思っていた。

 だが、PKスポットに向かったのは、61分に途中出場していたFWのアレクサンドル・ラカゼット。膝の怪我が完治し、約7週間ぶりにカムバックを果たしたフランス人FWは、このPKを落ち着いてゴール右隅に蹴り込んだ。
 
 ラカゼットを中心に喜びの輪ができる。真っ先に駆け付けたのは、オーバメヤンだった。試合後、PKを譲った理由をアーセナルの公式ツイッターが発信。そこには、オーバメヤンの言葉としてこう綴られていた。
 
「俺は2点決めていたからな。復帰したラカゼットにゴールを取らせてあげたかった。普通のことさ。(ラカゼットが)自信を取り戻すには、もってこいだろ」
 
 この日、オーバメヤンは前の週に亡くなったおばあちゃんの名前を刻んだヘアスタイルでプレーしていた。彼にとってもストーク戦は特別な試合だったはず。そんななかでも怪我から復帰したチームメイト――しかもCFのポジションを争うライバルだ――を想い、キッカーを譲った行為は称えられるべきだろう。
 
 今シーズンのパリ・サンジェルマンでは、PKのキッカーを巡りネイマールとエディンソン・カバーニが対立した。FWとしてゴールにこだわるのは当然であり、だからこそ2人はトッププレーヤーとして君臨しつづけられるのだろう。ただ、勝利を呼び込むには同じくらい "チームプレー"も重要だ。
 
 すでに10敗を喫するなど今シーズンは不振に喘ぐアーセナルに、ポジティブな雰囲気をもたらしたオーバメヤン。冬に加入したこの点取り屋が、復権に向けたチームのピッチ内外のキーマンと言えそうだ。
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