コートジボワール代表FWに衝撃の疑惑が浮上! 偽っていたのは年齢だけじゃなく…

2018年04月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

アビジャン移籍直後にアンデンティティーを

年齢と本名を偽っていると告発されたラシナ・トラオーレ。自身の口で身の潔白を主張するのか。動向が注視される。(C)Getty Images

 フランス・リーグアンのアミアンでプレーするコートジボワール代表FW、ラシナ・トラオーレ。203センチという超長身で有名なターゲットマンだ。これまでクラブ・クルージュ、アンジ、エバートン、スポルティング・ヒホンなど欧州各国を転々とし、現在はモナコから同クラブにレンタル移籍中の27歳である。
 
 そんな偉丈夫に、驚きの疑惑が浮上した。告発したのは、かつてトラオーレが籍を置いたとされる母国コートジボワールのクラブのトップだ。現在もエトワール・スポルティフ・アボボで会長を務めるイブラヒム・コネ氏が、フランスのラジオ局『RFI』のインタビューに応え、衝撃の事実を明かしたのだ。

 
 コネ会長がトラオーレを獲得したのは2005年。当時の名前は「トラオーレ・マネネ」で、生まれ年は現在公表されている1990年ではなく、1988年だったという。つまり17歳だったトラオーレはアボボで1年間プレーし、国内の名門クラブであるスタッド・アビジャンに引き抜かれる。その直後だ。コネ会長は思いもよらない展開に仰天した。

「気づけば、彼は自身のアイデンティティーを変えていたんだ。年齢を2歳若くして、名前も変えてラシナ・トラオーレになっていた。もう13年間もひた隠しにされてきた事実だが、もはや黙ってはいられない。私は権利を行使することにしたんだ」

 
 なぜいまになってコネ会長は鼻息荒く、告発に及んだのか。それはFIFAが定めている「連帯貢献金」制度に関連している。当該選手が16歳~23歳までの間に所属したクラブは、移籍金が発生するたびに移籍先のクラブに対して、0.50%の貢献金を請求することができる。だが、トラオーレの場合はアビジャン加入以前の記録が事実上抹消されており、アボボはいっさいの貢献金を受け取れないまま、いたずらに年月を重ねてきたというのだ。
 
 コネ会長は力を込めて、こう話す。
 
「彼がなぜあんなことをしたのかは分からないし、どれだけの周りの人間が関与したのかも分からない。だが、アフリカでは昔から日常的に起こっていることなのだ。若くあればあるほど、欧州のクラブに旅立つ可能性が広がるわけだからね」
 
 現在はコートジボワール・サッカー協会に告発中だが、もし却下された場合は、スポーツ仲裁裁判所に訴え出るという。はたして真実はどこにあるのか。当のラシナ・トラオーレは沈黙を守っている。
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