『超ユーティリティ&弾丸ロングスロー』セレッソ片山瑛一ってどんな選手?

2018年04月04日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

同じ新加入の高木が「あまりの飛距離にビックリ」と舌を巻く。

済州戦では左SBで奮闘。先制点も奪い、アピールに成功した。写真:川本学

 [ACLグループステージ5節]C大阪2-1済州/4月3日/長居
 
 今季ファジアーノ岡山からセレッソ大阪に加入した片山瑛一は、ACLグループステージ5節の済州戦で移籍後初先発。左SBで出場すると、先制ゴールを決めて見事にアピールに成功した。
 
 16分のCKの場面。DFの背後から飛び出すと、バウンドしたボールに身体を投げ出しながら上手く合わせて豪快に左足を振り抜いた。圧巻のゴールだった。
 
「自分のマークを外すことをまず考えました。良いボールが来たので、あとは合わせてゴールに入れるだけでした」
 
 そう得点を振り返る片山だが、左SBは初めてだったという。これまで途中出場した試合や練習試合ではCBを担当していた。とはいえ、岡山時代には左ウイングバックを担っていただけあって、スムーズに適応してみせた。
 そして、そのユーティリティ性は守備的ポジションに留まらない。元々プロ入りするまで主に務めていたのはFW。身体能力に優れるプレーヤーで、対応力はかなり高い。岡山時代にはFW、シャドー、左ウイングバックの3つのポジションを掛け持ちしていた。
 
 済州戦のゴールは、「自分がされて嫌なことを意識しています」という、まさに様々なポジションをこなしてきた経験が活きたゴールだった。
 
 さらに済州戦で見逃せなかったのはロングスローだ。岡山時代にも定評のあった武器を、この日も遺憾なく発揮。鋭く精度の高いボールでチャンスを演出し、スタジアムをどよめかせた。
 
 片山と同じく今季からC大阪に加入した高木俊幸も「初めて見た時は、あまりの飛距離にビックリしました」と舌を巻いている。
 
 そんな飛び道具を持つマルチプレーヤーだが、実はかなりの苦労人だ。埼玉県の川越高出身で、早稲田大には一般入試で入学。セレクションを経てサッカー部に入部した。
 
「大学に入った頃はプロになろうとは思っていませんでした。とにかくサッカーに全力を注ぎたい、より高いレベルで自分の限界にチャレンジしたいと思って、セレクションを受けました。高校は無名だったので、大学のレベルで圧倒されました」

次ページ今もスタンスは変わらない。

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