「済州相手に苦戦しているようじゃ…」勝利にも柿谷が苦言を呈したワケは?

2018年04月04日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「全員が共通意識を持ってやれたのは良い成果だったかな」

柿谷は済州戦でチーム2点目を奪取。献身的にプレッシングもかけ続け、守備でも貢献した。写真:川本学

[ACL5節]C大阪2-1済州/4月3日/長居
 
 ACLグループステージ5節の済州戦でセレッソ大阪を勝利に導いたのが柿谷曜一朗だ。
 
 34分、テンポの良いパスワークから山村和也のパスを冷静に流し込み、追加点を奪取。結局チームは終盤に1失点を喫しており、柿谷のゴールが勝負を分ける1点となった。
 
「(福満)隆貴もそうですけど、(田中)亜土夢くんも、両サイドふたりがあれだけボールを受けて、起点になってチャンスを作ってくれるから、前は動きやすかった。(得点シーンも)そこから(山村)和也が飛び込んできて、和也ならパスを出すと思った。みんなのイメージが重なったと思うし、もっとああいうシーンを作っていければ、もっと点差は開く。もっと良い関係ができていくんじゃないかなと思います」
 
 柿谷はそう得点シーンを振り返る。複数人が連動して動きながらワンタッチあるいはツータッチでポン、ポンとスピーディーに展開した崩しは圧巻だった。

 ゴールの場面以外でも、選手間での意思疎通が見て取れ、チームとして統制がとれていた印象だ。素早く囲い込みボールを奪うと、一斉にカウンターに出ていき、押し込まれている状態では、大きく蹴り出して悪い流れを断ち切る。そういった判断を、ほとんどの選手が共有して実践していた。
 
「初めて一緒に試合のピッチに立つ選手もいたなかで、全員が共通意識を持ってやれたのは良い成果だったかなと思う。怪我人が多いなかでも、これだけメンバーが意識高く準備できれば、これぐらいはできる」
 
 柿谷がこう言うように、負ければグループステージ突破の可能性がなくなる済州を相手に気圧されることなく、巧みに試合を運んでいた。最終盤に失点を許したのは反省材料だが、相手の激しいチャージにも屈せず、ほとんどの時間で優位に立っていたのは、ターンオーバーをして臨んだC大阪だった。「(相手の当たりは)アウェーでやった時の方が激しかった。相手も疲れもあるでしょうけど、それ以上にうちの選手の方が、気合いが入っていた。荒いとは別に思わないですし、それをいなしていけるような技術がある選手は揃っている」と柿谷は言う。

次ページいまだ予断を許さない状況。

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