「ライチュウに進化させてもいい」「神出鬼没」サッカー王国ブラジルで『ピカチュウ』が大活躍!

2018年04月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

サイドバックなのに州選手権得点王争いに食い込む活躍ぶり!

名手揃いのブラジルにおいても希有な技を持つピカチュウ。その圧巻のパフォーマンスが注目を集めている。 (C) Getty Images

 サッカー王国ブラジルで「ピカチュウ」が躍動している。
 
 ピカチュウと言っても、あのポケットモンスターのキャラクターではない。実在するサッカー選手である。そんなユニークな名前を持つのは、ブラジルの名門ヴァスコ・ダ・ガマに所属するヤーゴ・ピカチュウ。本名グライビソン・ヤーゴ・ソウザ・リスボアだ。
 
 このピカチュウが注目されている一番の要因は、その攻撃性にある。右のラテラウ(サイドバックの意)でありながら、果敢にゴール前に飛び出してはネットを揺らしているのだ。
 
 2018年に入ってからはラッシュが続いており、コパ・リベルタドーレスでは5試合で3ゴールを挙げ、さらにリオ・デ・ジャネイロ州選手権では4ゴールをマークして得点王争いにも食い込んでいる。
 

 
 ゴラッソを連発する"超"攻撃型SBのパフォーマンスには、ブラジル・メディア『Globo』も、「ピカチュウはサイドバックなのか、攻撃的MFなのか、それともFWなのか。全くもって神出鬼没だ」という特集を組み、その記事内で当人も「僕はヴァスコのジョーカーさ。攻撃的なことをすれば、相手の意表を突けるからね。もちろん『戻れ』と言われれば、自重するよ」と自信たっぷりに語っている。
 
 その攻撃性もさることながら、やはり気になるのはピカチュウと付けられた由来だ。ブラジル版『ESPN』で、本人が明かしている。
 
「フットサルをしていた時に、コーチから『ピカチュウ』と呼ばれたのが最初だったかな。僕は背が低く、すばしっこかったからね。もちろん初めはそう呼ばれるのは好きではなかったよ。怒った時もあったね(笑)。でも、時間が経つにつれて慣れたんだ」
 
 ピカチュウと呼ばれ、ブラジル国内で強烈なインパクトを残している25歳のラテラウへの賛辞は、とどまる気配がない。「ピカチュウからライチュウに登録名を進化させてもいいんじゃないか?」と、その活躍ぶりを伝えた地元メディア『Extra』の取材に対し、ヴァスコ・ダ・ガマのゼ・リカルド監督は次のように語っている。
 
「我々の考えは常にヤーゴを前に置いておくことにある。だけど、彼はリードを奪ったあとにチームのことを想って守備に戻ってくれる。その献身的な姿勢に私は満足している。彼はいまの時代を代表するプレーヤー。本当に素晴らしいよ」
 
 南米中の強豪が集うリベルタドーレスでも、ゴールラッシュが続いているピカチュウだけに、代表に選出されるという可能性もなくはない。もしそうなれば、ワールドカップの大舞台で『ピカチュウ』が躍動する日も訪れるはずだ。

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