昌平高監督が「あんな中学生見たことない!」 大宮Jrユース育ちの逸材が入学前に衝撃デビュー!

2018年04月03日 平野貴也

「やっぱり、自分の夢は高校サッカーなので、昌平で頑張りたい」(須藤)

大宮Jrユース時代にはU-15日本代表にも選出。キレのあるプレーで存在感を示していた。写真:平野貴也

 年齢など関係ない。力のある者は、次へ次へと上のステージを狙って行く。

 全国各地でフェスティバルが開催されていた3月、埼玉の強豪校である昌平高では、進学が内定している新1年生がキレ味鋭い動きで2学年上の選手を圧倒し、存在感を示していた。U-15日本代表候補の経歴を持つMF須藤直輝(新1年)だ。

 
 昌平高は、東京で行なわれた国際親善大会イギョラカップを優勝。準決勝と決勝が行われた最終日、11番を背負った中学生は高速ドリブルで敵陣を突破し、鋭いチェイスで相手にプレッシャーをかけるなど溌剌とした動きを見せた。藤島崇之監督が、目を丸くしていた。

「見て、どう思います? チームのド中心に見えません? あんな中学生、見たことないですよ」
 
 世代別代表クラスの力の持ち主が、上級生とは立場が違って、チャレンジャー精神そのままに挑んでいるのだから、勢いが凄まじい。

 静岡県の藤枝明誠高と戦った決勝では、左MFで先発。縦への突破、カットイン、鋭い切り返し、切り込んだと思わせて背面の味方へパス……。やりたい放題と言えるくらいに何度も攻撃の突破口を開いた。

 速さや技術だけでなく、学校の持久走でトップになることもあるというスタミナも武器。試合の終盤まで走力が落ちない辺りも中学生とは思えない部分だった。
 
 好きな選手は、元ブラジル代表のロナウジーニョ。スピード感のあるプレーのなかで、観衆に魅せる技も繰り出す、楽しいプレーヤーだ。

 存分に持ち味を発揮し、小さな身体で最後まで走り抜いた須藤は「相手が2学年上で体格や身体能力に差があって、通用しない部分がありました。でも、技術だけは負けたくないと思って臨んで、何回かチャンスを作れて、良い経験ができたと思います。気持ちの面で負けたくなかったので、とにかく全力でやって、必死に食らいつくしかなかったです」と充実した表情を覗かせた。
 
 大宮ジュニアユースでは、昨年12月の高円宮杯JFA第30回全日本U-15サッカー選手権大会で4強入りに貢献。周囲からは大宮でユースに昇格すると思われていたが、以前から高校選手権に強い憧れを持っており、高校のチームを探し、昌平高を希望したという。

 須藤は「ユースに進めば、良い環境で今までの仲間と一緒に楽しくプレーできるかなとも思いましたけど、やっぱり、自分の夢は高校サッカーなので、昌平で頑張りたいと思いました」と明かした。

次ページ1年ながら定位置を奪う可能性も。本人も覚悟を持ってシーズンに挑む

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