「前の試合を見ていた時に…」FW大津祐樹が横浜でのデビュー戦で実行したかった“あるプレー”

2018年04月01日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「細かく、細かくで終わってしまい、崩し切れないシーンが多かった」

今季、柏から加入した大津(9番)は、トップ下で先発出場。故障の影響を感じさせないプレーを見せた。写真:徳原隆元

[J1・5節]清水0-1横浜/3月31日/アイスタ

 今季、柏から横浜へ加入したFW大津祐樹がようやくピッチに立った。

 新天地でスタートを切った矢先の1月、キャンプ中に左膝靭帯を損傷し全治4~6週間と診断され離脱。そのため、この試合が大津にとって横浜でのデビュー戦となったのだ。

 4-3-3のトップ下で先発した大津は序盤からエンジン全開でピッチを駆け回り、敵陣のスペースでボールを受ければ、果敢にゴールに向かって仕掛けた。

 とりわけ目立ったのが、ダイナミックなプレー。味方がボールを持てば、鋭い動き出しでトップ下の位置から前線へと鋭く動き出す。たとえパスが来なくても、ひたすらそうした動きを繰り返したのだ。

 そこには"ある意図"があったようで試合後、本人はこう明かしてくれた。
「前の試合を見ていた時に、ダイナミックに動く選手が少ない、細かく、細かくで終わってしまい、崩し切れないシーンが多かったので、そのなかで自分が入った時は大きく相手を揺さぶろうと。自分が動いて空いたスペースを他の選手が使うこともできるし、とにかくフリーランを増やしてくことを意識してやっていました」

 今季の横浜は、ポゼションサッカーを志向。GKから細かなパスをつなぎ、ダイレクトプレーを交えながら敵陣を攻略するのがアンジェ・ポステコグルー監督が標榜するサッカーだ。

 素早いテンポでボールが動く戦いは実に痛快だが、一方で、足もとでつなぐ意識が強すぎるあまり、大津が指摘したようなダイナミックな動きが減ってしまう恐れもある。

 大津は自らの持ち味である縦への推進力を、チームに上手く落とし込みたいと考えているのだという。

 72分までプレーした清水戦では、そうした動きから直接ゴールにはつながらなかった。ただ、移籍後初出場にしては周囲との連係は決して悪くなかっただけにさらにフィットすれば、より「危険な存在」になれるかもしれない。


取材・文●橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
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