【移籍市場超速報】ローマが狙うトルコの逸材サリフ、交渉はペンディングに

2014年06月10日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

移籍金を巡ってせめぎ合い。

13年11月にはトルコ代表デビューを果たしたサリフ。トップ下の逸材だ。 (C) Getty Images

【ローマ】サリフ・ウチャン獲得交渉は捗らずペンディングに
 
 ローマがフェネルバフチェの20歳サリフ・ウチャン獲得に乗り出していることは、昨日の当レポートでお伝えした通り。6月9日、両クラブが会談を持ったが、条件面でまだ隔たりがあり合意には至らなかった。
 
 1300万ユーロ(約18億2000万円)の移籍金を要求するフェネルバフチェに対し、ローマの提示は1000万ユーロ(約14億円)+ボーナス。この溝が埋まるかどうか、両者は来週改めて連絡を取り合う予定だ。
 
 その一方で、ローマはブラジルU-17代表の左SBアブネルの獲得に向けて、所属するコリチーバとコンタクトを取っている。アブネルは一部で「未来のマルセロ」とも評されるほどのタレントだ。問題は、EUパスポートを持っていないこと。ローマのEU枠はすでに埋まっているため、何らかのソリューションを探る必要がある。
 
 また、サンパウロとの間で保有権買い取り/レンタル延長のいずれについても合意に達しなかったラファエウ・トロイの後釜となるセンターバックの獲得に動いてもいる。リュディ・ガルシア監督のファーストチョイスは、リールでプレーする31歳のベテラン、マルコ・バシャ。指揮官の戦術を熟知する教え子だけに、守備陣の層に厚みをつけるには最適の人選というわけだ。
 
【フィオレンティーナ】ルーマニア代表GKタタルサヌと契約
 
 フィオレンティーナは6月9日、ステアウア・ブカレストと契約満了を迎えるルーマニア代表GKチプリアン・タタルサヌと2019年までの5年契約を交わした。
 
【ラツィオ】監督はレーヤ留任か、それともピオリか
 
 いまなお来シーズンの監督が決まらないラツィオ。エドアルド・レーヤ監督とクラウディオ・ロティート会長は6月12日にも会談を持つ予定だが、それが不調に終わった場合には、ボローニャとの契約解消が確実になったステーファノ・ピオリが最有力候補と見られている。
 
【翻訳】
片野道郎
 
翻訳者からのごあいさつ
 イタリアのスポーツ専門局『SkySport』を舞台に活躍するジャンルカ・ディ・マルツィオは、移籍専門記者という新たなジャンルを独力で切り開いた草分けにして、他をまったく寄せ付けないトップランナーです。
 
 イタリア国内ではすでに数年前から超メジャーな存在でしたが、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラ監督のバイエルン入りという大スクープをものにして、一躍ヨーロッパ中でその名を知られるようになりました。その後も、ウィリアン(当時シャフタール・ドネツク)がトッテナムからチェルシーに寝返った顛末など、イタリアにいながらワールドワイドな移籍情報をいくつもスクープしています。
 
 セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち(iPhoneのアドレス帳には3000人以上のコンタクトが入っています)、他の記者には絶対入手できないディープな情報をキャッチ。素晴らしいのは、しっかり裏が取れるまでは決して情報を出さないところです。
 
 ご存じの通り、世界中を飛び交っている移籍関連ニュースの大半は、誰かの願望や思惑に基づくただの噂でありそれ以上ではありませんが、ディ・マルツィオが発信するニュースは、すべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではありません。移籍ネタに関しては、どんなにありそうな話でもディ・マルツィオが書くまでは嘘か本当かわからない、どんなにあり得ない話でもディ・マルツィオが書いたら本当、というのが、もはやこの業界の常識になっているくらいです。
 
 ツイッターのフォロワーは全世界で約30万人。日本では13年7月から『ワールドサッカーダイジェスト』誌に連載コラムを寄稿しています。先月、この連載を休載した時には、日本のフォロワーからいくつも問い合わせのリプライが飛んで来たほどの人気です。
 
 そんなディ・マルツィオのオフィシャルサイト『gianlucadimarzio.com』から、移籍関連を中心とする最新ニュースを毎日厳選してお伝えするのがこのコーナー。サプライズはあっても「ガセ」はありませんから、安心してお読みください。(片野道郎)
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