東福岡に超逸材ルーキーが登場! U-15クラセンMVPが不振の“赤い彗星”を救う!?

2018年03月31日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

「上でやれるだけのレベルはある」と森重監督も才能を高く評価する

いきなり出場機会を掴んだ佐藤は、高校トップレベルでも十分にやれることを示した。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 26番を背負った新1年生が飛躍の予感を漂わせている。
 
 30日に行なわれたU-18船橋招待の静岡学園戦。後半の頭から4-1-4-1のインサイドハーフで起用された1年生・佐藤聡史は、良質な左足と巧みな動き出しで東福岡の攻撃に変化をもたらした。

 終盤にはゴール前で決定機を創出。あと一歩で得点にはならなかったが、持ち前の打開力で可能性を示した。2-4の敗戦を喫し、森重潤也監督はチームの出来に不満を述べた一方で、佐藤の話になると表情が一変。「フィジカルが不足しているとは感じない。まだまだ、足りないところもあるけど、上でやれるだけのレベルはある」という言葉で期待のルーキーに太鼓判を押した。

 サニックス杯で予選リーグ3連敗を喫し、今大会も初日を2連敗で終えるなど"赤い彗星"は危機的状態にある。近年の強さがまるで嘘のように勝ち切れない試合が続いている。戦い方を模索するチーム状況で、注目ルーキーの台頭は明るい材料だ。
 
 では、入学式前からトップチームに帯同している佐藤とはいったい何者なのかだろうか。

 中学時代に佐藤が最も輝いたのは、昨年8月に帯広で行なわれたU-15クラブユース選手権だ。鳥栖U-15の一員として、チームの初優勝に大きく貢献。決勝ではスーパーミドルを叩き込む活躍ぶりで、個人としてもMVPと得点王の2冠に輝く圧巻のパフォーマンスを見せた。
 
 同年9月に行なわれた中学生のオールスターマッチ"メニコンカップ"にも出場。WESTの10番として、正確な左足と創造性豊かなプレーで攻撃を司った。
 
 当然それだけの活躍を見せれば、鳥栖U-18に昇格する道もあって然るべきだ。しかし、彼が進んだの東福岡だった。その理由はいたってシンプル。約300人という日本一の部員数を誇るチームでポジション争いに身を投じて切磋琢磨することを望んだからである。

「300人いて、11個しかないポジションを争う。そこでしのぎを削って、切磋琢磨して競争できる環境が素晴らしいと思った」
 
 身近な存在として、4つ上の兄が同校のサッカー部に所属していたこともあり、"赤い彗星"への想いが強くなるのはごく自然な流れ。
 
「本当に感謝しかありません」という鳥栖に自身の決断を尊重してもらい、東福岡の門を叩いた。
 
「自分のサッカー人生は自分で切り開いていくしかない」と1年生らしからぬ言葉を残す男は、高卒でのプロ入りを目指して高校サッカーに身を投じる。来週のプレミアリーグWEST開幕戦で東福岡を勝利に導くのは、確固たる決意を持つ26番なのかもしれない。

取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)

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