杉本健勇が「あれほどの屈辱はない」と激白!! 桜軍団のエースを突き動かす強烈な後悔

2018年04月02日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

表情には出していないだけで、みんなの想像より遥かに悔しい。

 日本代表のベルギー遠征から帰国するやいなや、3月31日の湘南戦で今季リーグ2得点目をゲット。昨季22ゴールを挙げた杉本健勇は、いまや名実ともにセレッソ大阪のエースとして君臨する。しかし、昨季はJ1復帰のシーズンとなったセレッソ大阪を大躍進に導いたものの、手が届かなかったリーグ戦のタイトルと、得点王の個人タイトルへの想いは募るばかりだ。桜軍団のエースストライカーに、今季に懸ける決意を訊いた。


――昨季、チームは二冠を達成しました。今季の目標は?
 
「そりゃあ昨季以上でしょう。4冠の可能性があるし、タイトルを逃したらサポーターから『何してんねん』と怒鳴られるくらいのチームにならないといけない。まず目指すところはJ1制覇です。おそらく天皇杯とルヴァンカップよりも、リーグ戦の優勝は難しいと思うんですよ」
 
――具体的にどう難しい?
 
「1年間を通しての長丁場になるので、生半可な覚悟では成し遂げられない。目の前の試合に、そして1分1秒にどれだけ突き詰めて臨めるか。昨年を振り返ると、あと少しで勝てた試合がいくつもあった。すべての試合でフルパワーを出し切って、そういう試合を極力なくすことが不可欠。なんか根性論みたいやけど、ほんまにそれが大切になる」

――白星を増やすには、杉本選手の"勝負を決める"得点が鍵を握りそうです。

「俺がやらないと、という責任感はありますね」

――エースの自覚が芽生えたのでしょうか?

「んー、周りからエースと言われるのは嬉しいですけど、セレッソには良い選手がたくさんいるから、みんながエースになったらいい。俺が考えているのは、他人を頼りにしてはいけないなってこと。ただそれだけです」

――得点王への想いは?

「まだシーズン序盤で今季取れるかは分からないです。それでもいつか必ず取りたい。昨季はほんまにあと一歩のところで追い越されていますからね。あれほどの屈辱はない。表情には出していないだけで、みんなが想像しているより遥かに悔しいんですよ。まだ甘えがあったと反省しているし、あまり振り返りたくはない。今も自分に腹が立ちます。たとえ今季、得点王を取ったところで、この無念は消えないし、一生後悔が残るでしょう」
 
――その忸怩たる想いも、今季の原動力にしたいですね。
 
「そうですね。過去のことを振り返っても仕方ない。この悔しさを糧にして、今やるべきことに集中したいです」
 
――今季リーグ戦の展望は? どこが上位に来そうですか?
 
「ひとつ言えることは、セレッソが1番上ってこと。あとのチームはどこだっていい。理想は首位を独走することだけど、そんなに甘くないのは分かっている。去年は最後の2試合を残して優勝の可能性が消えてしまったので、最終節まで優勝争いに絡んでいきたい。チャレンジャーの気持ちを忘れずに戦っていきます」
 
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)
 
※サッカーダイジェスト2018年3月22日号にて掲載。
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