日本代表 対 ザンビア戦|ディフェンス面に課題山積も、頼もしき大久保の決勝弾!

2014年06月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

立ち上がりの好調は続かず、あっけなく2失点。

 ブラジル・ワールドカップに向けた最後のテストマッチとなったザンビア戦で、日本は4-3の逆転勝利を収めた。前半の2点のビハインドをひっくり返し、さらに終了間際の勝ち越し弾。課題も多かったが、本番に向けて明るい材料も見られた一戦となった。
 
 日本は3日のコスタリカ戦で途中出場だった長友佑都、遠藤保仁、岡崎慎司、柿谷曜一朗が先発。また、守護神の川島永嗣に代えて、西川周作をスタメン起用し、前半をスタートした。
 
 立ち上がりの日本は、前線からのチェックでザンビアの選手に前を向かせないほどの激しい守備を見せた。高い位置でのボール奪取から、すぐさま攻撃につなげゴールに迫る。しかし、ザンビアのリーチの長い体格や、身体能力の高さを活かしたディフェンスを崩し切るには至らない。
 
 逆に、大きなサイドチェンジのパスなどを突破口にザンビアも次第にリズムを掴んでくる。そして9分、ザンビアは右サイドからのクロスにいち早く反応したC・カトンゴが頭で押し込む。日本のクロスボールへのまずい対応から生まれた一瞬の隙を見逃さなかった。
 
 18分にはアクシデント。ゴール前のハイボールに勢い良く突っ込んだ岡崎が、相手GKと激しく交錯してしまう。左目付近を深く切って出血し、治療のために約5分間の中断。だが、岡崎はプレーを続行し、60分に交代するまで怪我の影響は感じさせなかった。
 
 なかなか主導権を掴み切れない日本は28分、セットプレーからさらなる失点を喫する。右CKからのトリックプレーでシンカラにゴールを叩き込まれ0-2。早くも2点のビハインドを負ってしまう。
 
 反撃したい日本は、38分に香川真司、本田圭佑の切り崩しから、香川のクロスがペナルティーエリア内でのハンドを誘い、PKを獲得。これを本田が落ち着いて決めて1点差に迫る。日本はさらに前半終了間際に長友のクロスから柿谷がヘディングシュートを放つなど、チャンスを創出。しかし、前半は1-2のまま終了して折り返す。
 
 後半、日本は柿谷に代えて大久保嘉人を投入。「圭佑ともなるべく近くでプレーしようと言っていた」という大久保は、小気味いいパスワークで攻撃にリズムを作る。序盤から相手ゴールに迫るシーンも見られたが、前半同様ザンビアの堅い守りに手を焼き、シュートを打ち切れない時間帯が続く。
2点のビハインドを撥ね返し、最後は大久保が決勝ゴール!
 
 日本は60分、岡崎に代えて大迫勇也を1トップとして投入し、大久保を右サイドに回す。そして73分。左サイドから香川が鋭いカットインを見せ、エリア内に入ってきた大久保へシュート性のクロスを入れると、ボールはそのまま敵味方の間を抜けてネットを揺らす。記録には残らないが大久保のゴールへ向かう姿勢が同点弾を演出した。
 
 さらに同点の余韻も冷めやらぬなか、日本はザンビア陣内に攻め込む。攻撃参加した森重が右サイドでボールキープすると、鮮やかなフェイントから中央へのクロス。これに本田が飛び込んで、逆転ゴールを決める。日本が3-2と試合をひっくり返した。
 
 本番に向け、あとは相手の反撃を撥ね返し、きっちりと試合を終えたかった日本だが、ザンビアはドリブルで駆け上がったムソンダがペナルティーエリア手前で右足を振り抜く。山口の足に当たったシュートは、日本ゴールに吸い込まれ再び同点となった。
 
「アオ(青山)からすごくいいボールが来た。上手く振り抜けた」
 
 そう大久保が語った決勝ゴールは、同点に追いつかれてから、わずか2分後に生まれた。交代出場の青山敏弘が前線にロングパスを供給すると、走り込んだ大久保が見事なトラップでボールをコントロール。左足で放ったシュートは、GKの頭上を抜けてゴールに突き刺さった。
 
 その後は、ザンビアの反撃を手堅く抑え込んだ日本。「あまり良い試合ではなかった。内容には満足しいない」というアルベルト・ザッケローニ監督の言葉を借りるまでもなく、課題が多く見つかったのは間違いない。しかし、不調が伝えられた本田の2得点、大久保の復帰後初ゴールなど、本番に向けて期待の膨らむ好材料も見られた一戦だった。

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