【日本代表】当落線上の本田圭佑が持論を展開。「選ばれるためのW杯なら、なんの意味もない」

2018年03月22日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「本来なら『ピルロみたいのを目指せよ』みたいな感じですけど…」

リエージュでの代表活動で練習に励む本田圭佑。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 本田圭佑がロシア・ワールドカップのメンバーに選ばれるかどうかは、世間的に大きな注目点となっている。しかし本人にしてみれば、そこは重要ではないという。3月21日の代表練習後、彼は独自の見解を述べた。
 
「ワールドカップをゴールと設定した場合、自分がどういう形で3度目のワールドカップを迎えるべきなのかを考える。選ばれる、選ばれないという大前提を度外視してね。選ばれるためのワールドカップなら、なんの意味もない。
 
 それが議論にあがりすぎているけど、いつも自分はワールドカップで勝つためにやってきたし、そのスタイルはこれからも変えない。それで選ばれなかったら、なんの後悔もない。3月の連戦は選ばれるためだけのゲームではないし、パチューカでも自分がこの日本代表に欠けているものを補える形はなにかと自問自答しながらトレーニングしています」
 
 自問自答しながらもポジション的な戸惑いはない。メキシコのパチューカではトップ下やインサイドハーフをこなす一方、現代表では右ウイングを任されることが多いが、「要領は一緒」だという。
 
「中とサイドのポジションでは役割が違いますが、特に攻撃になった時のスペースの見つけ方というのは、別に要領は一緒かなあと。あとは近くの選手との動き方、連動の仕方だけだと思うので、窮屈には考えていないです」
 どちらかと言えば思考は柔軟だ。とはいえ、歳を重ねても頑固な部分はある。
 
「ポジションのここはやりたいというこだわりはありつつも、プレースタイルはプロになってから一面たりとも固定した覚えはない。晩年の選手がこれだけ個に集中し始めている頭のいかれた選手も、おそらく今までいない。世界的に見てもいない。だから面白いです。僕としてはサッカー人生後も全て踏まえたうえでの挑戦が始まっている認識です。
 
現状に満足せず、足は遅いけど、1対1にもっと成長を促していくスタイル。そんな10年間を歩んできたような気もするので。本来なら『ピルロみたいのを目指せよ』みたいな感じですけど、常に真逆を行っていたという意味での後悔はないし、改めて面白い挑戦をしてきたと思う。もっと面白い挑戦をしないとあかんなと」
 
 独特の言い回しで持論を展開した本田。3月の代表戦でチームの攻撃に良い意味で幅をもたらせるか。ワールドカップで勝つための手段を是非とも披露してもらいたい。
 
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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