「もう戻れないって思う時があった…」イグアインが約9か月ぶりの代表復帰の心境を告白

2018年03月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

久しぶりの代表復帰に燃えるユーベの主砲。

母国代表での成功を狙うイグアインは大願を成就することができるのだろうか? (C) Getty Images

 久しぶりに主砲が"セレステ・イ・ブランコ(アルゼンチン代表の愛称)"に帰ってきた。セリエAの絶対王者ユベントスで得点を量産するゴンサロ・イグアインだ。
 
 3月の代表シリーズでイタリア(現地時間23日)とスペイン(27日)という列強国と対戦するアルゼンチン代表のメンバーに復帰したイグアイン。昨年6月9日のブラジル戦以来、約9か月ぶりの招集である。
 
 30歳と円熟味を増し、セリエAでは得点を重ねている大型CFだが、なぜかアルゼンチン代表では、そのパフォーマンスを披露し切れてこなかった。
 
 2016年のコパ・アメリカ・センテナリオではチリとの決勝戦で先発出場するも、ことごとく決定機を外し、23年ぶりの南米制覇を逃した戦犯として国内メディアに酷評された。

 さらにその後に続いたロシア・ワールドカップ出場を懸けた南米予選でも9試合3ゴールと不振を極め、いつしか「大一番に弱い」というレッテルを貼られるようにもなった。

 イグアインの不調もあってチームは決定力不足に悩まされ、南米予選敗退の危機にさらされるようになったため、当時の指揮官エドガルド・バウサは、ユベントスのエースを先発メンバーから外し、ついには代表チームからも外した。
 
 招集メンバーから漏れた時のことをイグアインは、現地メディア『Tyc Sports』で「あの時は、自分でも、もう代表には戻れないって考えていた時もあった」と、精神的にもコンディションを落としていたことを振り返っている。
 
 その後もバウサは、インテルのエースであるマウロ・イカルディやサンパウロの大型CFルーカス・プラットを起用。さらに、昨年11月に監督に就任した現指揮官のホルヘ・サンパオリも、初陣となった昨年6月のブラジル戦にはイグアインを呼び寄せたものの、以降は自身のチームに加えなかった。
 
 この期間を「長くてつらい時だった」と回想したイグアインは、それでも「常に代表に戻ることが頭にあった。だけど、僕はサッカー選手だからそれを表に出さないようにして、プレーで表現したんだ」と、代表復帰への情熱を持ち続けていたことを吐露している。
 
 その心の中で密かにたぎらせ続けた情熱は、クラブでの結果に結びつく。今シーズンのユベントスでは公式戦39試合で22ゴールをマークし、押しも押されもせぬ大黒柱として君臨。そして、ようやく今回の代表復帰を果たすことになったのだ。
 
 とはいえ、イグアインの目標はあくまでロシア・ワールドカップの出場メンバー23人に入ることにある。そのためにも、今回のスペインとイタリアとの対戦は重要なアピールの場だ。「両国とも異なるサッカーをしているから良いテストになるね」と話す点取り屋は、さらに自信を漲らせる。
 
「代表チームでプレーすることは、それだけで美しいことだ。だけど、今は悠長なことだけを言ってはいられない。ここに戻ってこれたことは重要だ。イタリアでやってきたことが認められたことを意味するからね。(サンパオリ)監督に『ワールドカップへ連れていこう』と思わせるだけのプレーをしなきゃいけない。僕はメンタルは強いし、できる全てのことをやるつもりだ」
 
 不遇をかこった時期を乗り越え、ようやく戻ってきたイグアインは、この大国との2連戦で「大一番に弱い」というレッテルを覆せるのか。これまで以上に闘志を燃やすストライカーから目が離せない。

次ページ【動画】UEFA公式が選んだイグアインのトップゴール5選!

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事