英国人記者が考える今の欧州最強チームは? 「マンCはまだ成長過程」「ユーベがCL制覇をするためには…」

2018年03月19日 スティーブ・マッケンジー

ヒントを説く旅で見たものは?

グアルディオラ監督に導かれ、プレミアリーグを独走するマンCも、チームの成長度では、まだ道半ばだ。 (C) Getty Images

「今、ヨーロッパ最強のクラブは一体どこなのか?」

 そんな、ふとした疑問を解くべく、私は旅に出た。
 
 約10日に渡って欧州を周遊するなかで、マンチェスター・シティ、アーセナル、トッテナム、バルセロナ、アトレティコ・マドリー、レアル・マドリー、パリ・サンジェルマン、ユベントスの試合を見られたことは、私を満足させ、何よりも"疑問"を解くヒントを十分に与えてくれた。
 
 まず、3月2日にロンドンで行なわれたアーセナル対マンチェスター・Cの試合に赴いた。雪がちらつき、多くの試合を見てきた私でも経験したことがないほどの寒さに凍えながらの観戦となったが、マンチェスター・Cの攻撃は衝撃的だった。

 
 彼らはスピード、テクニック、完璧に組織化された戦術面など、全てにおいてアーセナルを上回り、何世代も先を行っているように見えた。ちなみに、ピッチ上で半袖だったのも、ヴァンサン・コンパニとニコラス・オタメンディと、マンチェスター・Cの2人。アーセナルには1人もいなかった。
 
 試合は3-0でマンチェスター・Cが快勝したのだが、この大敗はアーセナルと指揮官アーセン・ヴェンゲルの長年に渡った関係が終わりを告げた瞬間だったようにも思えた。
 
 それから数日後、私はスペインに渡り、バルサ対A・マドリー戦を見るためにカンプ・ノウへ向かった。
 
 ディエゴ・シメオネのチームは、勝てば首位バルサに勝点2差と迫れたが、その願いは叶わず。彼らの進撃を阻んだのは、素晴らしすぎるリオネル・メッシだった。
 
 彼はこの試合で、崇高なFKから決勝ゴールを決めただけでなく、効率的にボールに絡み、ボール奪取の成功率も高かった。メッシは一人だけ、違う次元にいたように私には見えた。

次ページバルサとR・マドリーが擁する2人の“異才”。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事