市立船橋から2年連続で守護神のプロ入りも! J注目GKの田中悠也が見せたピッチ外のある変化

2018年03月18日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

1学年上の先輩・長谷川凌(水戸)に続き、プロ入りを掴み取れるか

Jのキャンプに参加したことで、田中はピッチ外でもプロの空気を味わった。写真:松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)

 市立船橋のOBには名だたる選手たちが顔を揃える。古くは元日本代表の野口幸司(現指導者・解説者)や北嶋秀朗(現熊本コーチ)、現役では阿部翔平(甲府)や小川佳純(新潟)、増嶋竜也(千葉)、和泉竜司(名古屋)、さらには杉岡大暉(湘南)、原輝綺(新潟)といった活きの良い若手まで。プロ選手ではないが、お笑いコンビ・ペナルティのヒデとワッキーも同校サッカー部の出身者だ。
 
 多くのJリーガーを輩出してきた名門校は、プロ入りを果たしたGKも群を抜いて多い。その数は実に12名。古くはアテネ五輪に出場した黒河貴矢(元新潟ほか)、86年の早生まれの佐藤優也(千葉)を皮切りに89年生まれの上福元直人(東京V)まで5年連続でプロ入りを果たした世代もあった。近年も続々とJの世界へ守護神を輩出しており、昨年も長谷川凌が水戸に加入した。
 
 そして、今年もプロ入りを狙う逸材がいる。新3年の田中悠也だ。
 
 昨季は長谷川の陰に隠れがちだったが、プレミアリーグの序盤戦では一時期レギュラーの座を獲得。184センチとGKとしては体格に恵まれているほうではないが、下級生の頃からポテンシャルは高く評価されてきた。
 
 チームを指揮する朝岡隆蔵監督は「あいつは男気がある」と、そのメンタリティについても買っており、「去年1年でセービングが良くなった」という技術面だけに留まらず、今年の副キャプテンを任されたようにリーダーシップにも定評がある。17日のサニックス杯・東福岡戦(2-0)でも守備陣をとりまとめ、チームの完封勝利に貢献した。
 
 すでにプロも熱視線を注いでおり、開幕前にはJクラブのキャンプに参加。好プレーを見せ、田中はひとつ上のレベルでもできる手応えを掴んだ。
 
 また、プロの空気を実際に吸ったことはプレー面以外でも好影響をもたらし、学校に戻ってきてからは食事面の改革も実施。「親に話をして、食事のバランスや時間などをなるべく協力してもらうようにお願いをした」という。「キャンプに行ってからさらに意識が変わった」とCBの田谷澪斗も、その変化に太鼓判を押すほどだ。
 
 プレーだけでなく、ピッチ外でもプロ仕様となって戻ってきた"市船の新守護神"。プロ入りへの道を切り開くべく、ひとつずつ積み重ねていく。

取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)

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