憧れは中学・高校の先輩、植田直通! プロ入りも狙える逸材CB吉村仁志が覚醒間近!!

2018年03月18日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

目指すは植田直通!!今年の初蹴りで待望の初対面を果たし...

昨季はプレミアリーグを経験し、一回りも二周りも逞しくなった。写真:松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)

 個性派の選手を育てることで有名な大津。熊本の元日本代表・巻誠一郎をはじめ、近年では日本代表の植田直通(鹿島)、谷口彰悟(川崎)、車屋紳太郎(川崎)らが同校出身のOBとして知られている。
 
 そんな育成の名門校に、またひとり楽しみな逸材が現われた。CBの吉村仁志(新3年)だ。
 
 183センチの恵まれた体躯と類まれな跳躍力。対空戦では圧倒的な存在感を見せ、攻撃陣に好タレントが揃うチームを最終ラインから支えている。

 17日のサニックス杯でも好プレーを披露。1試合目の鳥栖戦では高さで相手を圧倒。後半は3失点を喫して劣勢を強いられたが、声でチームを盛り上げるなどメンタリティーの強さも示した。
 
 守備の大黒柱として欠かせない吉村だが、中学時代は全くの無名。高校入学後にメキメキと力を付け、昨春にポジションを掴んだ。
 
 そして、昨年は高校年代最高峰のプレミアリーグを1年間戦い、経験値もさらに向上。「去年1年で自信を付けた」と平岡和徳総監督が語るように、毎週のように強豪チームと対戦できたことで、潜在能力が解き放たれた。

 リーグ戦での活躍が認めらると、シーズン終了後にはイタリア遠征を行なうプレミアリーグ選抜に選出された。その海外挑戦では「全然やれなかった」とレベルの高さを痛感させられたが、多くの学びを得てさらに経験を積んだ。
 
 成長著しい吉村には、憧れの選手がいる。それがプレースタイルで相通ずるものがある鹿島の植田だ。もちろんプレースタイルが似ているということが名前を挙げる要因なのだが、実はもうひとつ理由がある。

 吉村にとって植田は高校だけではなく、中学の先輩でもあるという点だ。日本代表まで上り詰めたCBの背中を追いかけるのは自然な流れで、自身の個性を磨く上で常に参考してきた。
 
 そんな偉大な先人とは面識がなかったそうだが、今年の正月に行なわれたサッカー部の初蹴りでついに顔を合わせたという。

 植田と初対面した吉村は「自分と同じ宇土住吉中出身なんだろ。頑張れよ」と短い言葉で激励を受け、大きな刺激を受けた。さらにその後、植田だけではなく、車屋、谷口を加えた同校のOBチームと対戦。実際のプレーからも多くの学びを得たようだ。
 
 OB組との一戦で吉村は、相手のセットプレー時に植田のマンマークを請け負った。その際、自分が先に飛んだにもかかわらず、遥か上を飛ばれて歯が立たなかったという。「ヘディングが強かったし、これがプロかと思った」と先輩の凄さを目の当たりにし、自分の目指す場所をより明確にするきっかけとなった。
 
 現状では世代別代表歴もなく、全国的には無名な存在。「技術ではみんなより劣っているし、上手くならないと全国制覇できない」と本人が言うように、改善すべき点はまだまだ多い。しかし、ポテンシャルは十分で、高卒でのプロ入りも狙える逸材だ。地道に努力を積み重ね、今後も植田の背中を追い続ける。
 
取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事