【コスタリカ戦プレビュー】本田のボールキープに注目だ

2014年06月02日 原山裕平

まだ「最高のパフォーマンス」は必要ない。

アメリカでの調整を続ける日本は徐々にコンディションを高めつつあるが、まだ「最高のパフォーマンス」を見せる必要はない。 (C) SOCCER DIGEST

 大会を前にしたテストマッチの結果が、本番の結果に結びつかないのは過去の歴史が証明している。
 
 2006年のドイツ大会直前のテストマッチでは、開催国相手に堂々たるプレーを披露し2-2のドローという結果を残した。優勝候補の一角に挙げられる相手を追い詰め、本大会での躍進を期待させた。ところがふたを開けてみれば、1分け2敗でひとつも勝ち星を挙げられず、失意のまま帰国することとなった。
 
 2010年の南アフリカ大会では、イングランドに1-2、コートジボワールに0-2と連敗。この結果を受け、日本はアンカーを配置する守備的な戦術を導入し、本大会ではベスト16と戦前の予想を上回る成果を上げた。
 
 結局はチームのバイオリズムを本番に合わせられるかに尽きる。06年は大会前に状態を上げ過ぎた感が否めず、本番にパワーを持っていけなかった。10年は突貫工事ではあったものの、最悪の状態から這い上がり、初戦のカメルーン戦にピークを合わせられた。この点を踏まえれば、6月3日(日本時間)のコスタリカ戦で「最高のパフォーマンス」は必要ない。
 
 アルベルト・ザッケローニ監督は、この試合のテーマを次のように語る。
 
「プレーの内容もあるが、それ以上に本番に向けたプログラミングを実行したい。選手それぞれのコンディションがあるので、出場時間の制限に気を遣ってこの試合を戦っていきたい。結果よりも、本番にコンディションを合わせていく作業が大切だと思う」
 
 フィジカル的に最悪の状態だったキプロス戦を経て、チームはアメリカでの調整を続けながら、徐々にコンディションを高めつつあるとはいえ、14日の初戦までにはまだ2週間弱の時間的余裕がある。ベストの状態に比べ、今はまだ70パーセント程度といったところだろう。この試合に過度な期待をかけるのは、決して得策ではない。

次ページ気になる本田の状態が、攻守両面のポイントに。

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