【CL】ローマが一瞬の隙を突いて緊迫の一戦を制す! アウェーゴールの差で10年ぶり8強へ

2018年03月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

DFラインの裏を狙い続けたローマ

決勝ゴールを挙げたゼコは、フィニッシュだけでなく、ボールの繋ぎ役としても重要な役割を果たした。 (C) Getty Images

 3月13日(現地時間)、チャンピオンズ・リーグ(CL)決勝トーナメント1回戦の第2レグが行なわれ、ローマ(イタリア)が1-0でシャフタール・ドネツク(ウクライナ)を下した。
 
 第1レグではシャフタールが2-1の逆転勝利を飾ったが、ローマもアウェーゴールを奪い、十分な可能性を持ってホームに戻ってきた。
 
迎えたリターンマッチでは、勝たなければならないローマが開始直後から攻勢に立ち、数十秒でナインゴランのパスを受けたゼコがファーストシュートを放つ。
 
 ホームチームが積極性を示した立ち上がりだったが、間もなくシャフタールが反撃を開始。第1レグでもローマを苦しめた左サイドからの攻めで、イスマイリー、ベルナールが抜け出して主導権を握っていく。
 
 シャフタールの高い個の技術と連動した組織プレーに押され、ポゼッションでも相手に大きく上回られるローマだが、最終ラインは冷静に対処し、決定的を作らせない。
 20分過ぎからはローマも攻撃を見せるようになり、DFラインの裏を狙ったスルーパスの他、バイタルエリアへの縦パスから左サイドに流し、ペロッティやコラロフがクロスを入れるというかたちで、相手ゴールに迫る。しかしシャフタールDF陣も、的確なラインコントロールを見せ、クロスも全てはね返す。
 
 ともに集中力が高く、堅固な守備ブロックを形成してチャンスを作らせない一戦は、ミスが許されない緊迫したものとなる。そんななかで33分、ローマはCBのファシオが自陣でF・フェレイラにボールを奪われて独走されるが、何とか追い付いてシュートミスを誘い、事なきを得た。
 
 その後、ローマが攻勢でシャフタールがカウンターを狙うというかたちで時間は進みながらも、ともにDF陣が危なげなくこれをしのいで前半を終えた。
 
 後半もまずはローマが敵陣に迫りながらも、その後はシャフタールがボールを持つという展開となったが、開始7分でついに試合は動く。
 
 中盤でゆっくりボールを回していたローマは、ストロートマンが縦パス。ゼコはタイミング良くDFラインの裏に抜け出し、難なくゴールに流し込んで待望の先制。狙い続けたかたちで、ついに2戦合計でもリードを奪った。
 
 一転してゴールが必要になったシャフタールは当然、攻勢を強めるが、ローマはこれをいなしながら逆に効果的な攻撃を見せ、54分にペロッティが抜け出して決定機を迎え(シュートはGKピャトフの正面)、62分にはゼコが左にわずかに逸れる惜しいシュートを放った。
 
 67分にもシャフタールのスピーディーな攻撃を防ぐと、そのままカウンターに転じ、ペロッティとゼコでボールを運んでフィニッシュまで持ち込むなど、ローマは実に効率の良いプレーを見せる。72分にも、交代出場のジェルソンが追加点のチャンスを迎えた。
 
 守備に主眼を置きながらも攻撃のチャンスを窺い、狙い通りに試合を進めていくローマに対し、シャフタールは相手の守備ブロックを前になかなか攻撃がスピードに乗らず、強引に仕掛けてははね返され、逆にカウンターに結び付けられてしまう。
 
 77分には、さらにアウェーチームを追い詰める事態が起こる。リスタートからのプレーでゼコが抜け出しそうになったところを、CBのオルデッツが倒して一発退場となったのだ。
 
 それでも、気を取り直し、数的不利を感じさせない猛攻を仕掛けるシャフタール。そして、それをしのぎ続けるローマ。87分にアウェーチームは好位置でFKを得るも、第1レグとは違い、これも壁にはね返される。
 
 そして4分のアディショナルタイム、タイソンやイスマイリーにペナルティーエリアへの侵入を許して冷や汗をかいたものの、これも防いだローマは1点を守り切り、逆転で10年ぶりのベスト8入りを決めた。
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