【鹿島】閉塞感漂う現状を打破するのは、一回りスケールアップしたこの男だ!

2018年03月14日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

力強さは残しつつ、粗削りだった部分が研磨され――。

フル出場したシドニー戦は無得点に終わった鈴木だが、チャンスメイクや精力的な守備で存在感を示した。写真:徳原隆元

[ACL4節]鹿島1-1シドニー/3月13日/カシマ
 
 勝てばグループステージ突破の可能性があったシドニー戦は、金崎夢生のゴールで先制するも、後半に追いつかれて引き分けに終わった。
 
 ゴール前でのチャンスをより多く作っていたのは、鹿島のほうだった。だが、最後の精度を欠いて相手を突き放すことはできなかった。
 
 2トップの一角で先発フル出場した鈴木優磨は、左右からのクロスに果敢に飛び込むなど、迫力あるプレーを見せた。それでも、「自分が決め切れていれば」と、結果を出せなかったことに悔しさを滲ませた。
 
「点を決めたい気持ちも、チームを勝たせたい気持ちもある。相手はこの前の対戦より身体を張ってきていて、改めて、簡単に勝てる試合はないなって感じました」
 
 ゴールに貪欲な姿勢を見せる鈴木だが、フィニッシュ以外の部分でもプレーの幅が確実に広がっている印象を受けた。選手として一回りスケールアップしたように見えた。
 
 空いたスペースを見つけてポジションを取り、パスを引き出す。マイボールにすれば簡単に味方に預ける、あるいは果敢に前を向いて局面を打開しようとする。
 
 力強さは残しつつも、粗削りだった部分が研磨され、状況に応じたプレーを的確に選択する。シンプルかつ無駄のない振る舞いで、チャンスメイクでも高い貢献度を示していた。
 
「それはもう分かっているし、自分でも意識している。それはできていると思う」
 
「だけど……」と鈴木は続ける。点取り屋としての矜持は忘れていない。

【ACL 鹿島 1-1 シドニー PHOTO】金崎の先制ヘッドも実らず。後半に失点を許し引き分けに終わる

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