「ゴーストがたくさん呼び戻された」日本がW杯で戦うセネガルの招集メンバーに地元メディアが…

2018年03月14日 遠藤孝輔

親善試合のメンバーには謎の新鋭も。

3月の親善試合にはこのマネなど主力が順当に選ばれる一方で、思わず首を傾げてしまうような人選も……。(C)Getty Images

 3月23日にモロッコでウズベキスタン、27日にフランスでボスニア・ヘルツェゴビナとのテストマッチに挑むセネガル。ロシア・ワールドカップに出場しない国との対戦になり、セネガル国内では「もっと歯ごたえのある相手と戦うべきだった」との声が挙がっている。そうした批判に理解を示しつつ、持論を展開したのはアリウ・シセ代表監督だ。3月7日、この2試合に臨む招集メンバー30人を発表した席でこう話している。

「私も別のゲームを望んでいた。ただ、相手を過小評価してはならない。ウズベキスタンとの対戦はとても重要だし、ボスニア・ヘルツェゴビナはヨーロッパのベストチームのひとつだ。2002年のワールドカップに臨む時も、スペインやフランスのようなチームとテストマッチを行なったわけではない。それでも本大会で良い戦いを見せた」

 一方で、シセ監督はロシア・ワールドカップに向けたセネガル国内での壮行試合を開催できない可能性にも言及した。5月31日のルクセンブルク戦、6月8日のクロアチア戦はともにアウェーゲームが予定されている。

「忘れてはならないのは、2017年にダカールでたくさん試合をしたということ。最低でも1試合はダカールでやりたいが、現時点では可能とも不可能とも言えない。5月に機会があるかもしれない。ただ、状況は厳しい。レオポール・セダール・サンゴール(首都ダカールの6万人収容スタジアム)の芝が必ずしもいいとは言えないからだ」

 
 ウズベキスタン戦とボスニア・ヘルツェゴビナ戦に臨むメンバーに目を向ければ、アフリカ予選突破の立役者となったサディオ・マネ(リバプール)やケイタ・バルデ・ディアオ(モナコ)らが順当に選ばれている。ただ、サプライズ選出も少なくなく、アフリカ・サッカー専門サイト『Aftik-Foot』は「ゴーストがたくさん呼び戻された」と表現している。

 具体名を挙げれば、今大会のアフリカ予選に一度も出場していないCBパピ・ジロボジ(ディジョン)、ともに左SBパペ・スアレ(クリスタル・パレス)とアルマン・トラオーレ(カーディフ)、そしてFWウマル・ニアセ(エバートン)だ。スアレを除く3人はクラブで好調だけに、このタイミングでの復帰も分からなくはない。

 クラブでの出番が少ないスアレ同様、不可解なのがサンティ・エンゴムの選出だ。今回が初招集であるこの25歳のFWは、昨夏に加入したナントで計419分しかプレーしていない。『アフリカ・トップ・スポーツ』が「誰も期待していなかった」と綴ったFWはなぜ、突如として代表入りを果たせたのか。シセ監督はその理由をこう述べている。

「サンティはナントでプレーする若いプレーヤーだ。多くの伸びしろがあり、ナントのクラウディオ・ラニエリ監督は興味深い話をしてくれた。創造性豊かで、ボールタッチが素晴らしい。彼には我々のグループに入れるクオリティーが備わっている」

 そもそも25歳が若いのかという素朴な疑問も浮かぶし、すでにセネガルの攻撃陣には22歳のケイタを筆頭に、23歳のエムバイ・ニアング(トリノ)や20歳のイスマイラ・サール(レンヌ)など有望な若手がひしめいている。はたしてエンゴムは本大会に向けた秘密兵器になりえるのだろうか。ウズベキスタン、ボスニア・ヘルツェゴビナとの連戦でのパフォーマンスに注目だ。

[日本vsセネガル]
6月24日:20時~(日本時間6月25日:24時~)/会場:エカテリンブルグ


文●遠藤孝輔
 
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