【鳥栖】「特別な関係だったので」旧友アストーリに捧げるV・イバルボの決勝点

2018年03月10日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「彼に捧げるという想いは自分の中にありました」

57分のPKを確実に決めたV・イバルボ。チームを勝利に導くゴールは、亡き友のアストーリに捧げられた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第3節]3月10日/横浜1-2鳥栖/ニッパツ
 
 勝負を決定づける貴重なゴールだった。
 
 1点リードで迎えた57分、鳥栖がPKのチャンスを得ると、この日が今季リーグ戦初出場のビクトル・イバルボが狙いすました一撃をネットに突き刺してみせた。
 
 終盤に横浜に1点を返されただけに、結果的にV・イバルボのPKが決勝点となったが、殊勲者の胸中は複雑だったかもしれない。
 
 今月4日、セリエAのフィオレンティーナの主将で、イタリア代表のダビデ・アストーリが遠征先のホテルで急逝し、サッカー界は大きな悲しみと衝撃に包まれた。
 
 V・イバルボにとってアストーリは、カリアリやローマでともにプレーしたチームメイトだ。価値あるゴールは旧友に捧げられた。
 
「特別な関係だったので、ゴールした瞬間、彼に捧げるという想いは自分の中にありました。ただ、これで終わりにしてください。言葉がないので」
 
 アストーリに関する報道陣の問いかけには、言葉少なく応じるだけだった。フル出場を果たしたV・イバルボはゴール以外でも、恵まれたフィジカルを武器に最前線で起点となり、相手を背にしたまま巧みなヒールリフトで味方にパスを出すなど、際立つパフォーマンスでチームを勝利に導いた。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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