未勝利でも問題なし!千葉の町田也真人が右サイドで示した進化

2018年03月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

新たなポジションを担う町田が語った水戸戦の手応えは?

走りと技術で違いを作った町田。あとはゴールに結び付くプレーが出来れば…。写真:田中研治

[J2リーグ2節]千葉0‐0水戸/3月4日/フクアリ

 昨季はクラブ新記録の7連勝を達成し、6位に滑り込んで奇跡のプレーオフ進出を勝ち取った千葉。惜しくも昇格プレーオフ1回戦で名古屋に敗れたとはいえ、エスナイデル監督の下で確かな手応えを掴んだシーズンだった。

 昨季のハイライン&ハイプレスをベースに、今季こそ10年ぶりのJ1復帰への期待が高まるなかで開幕から1敗1分と未だ勝利がない。しかし、結果とは裏腹にチーム作りは順調に進んでいるようだ。
 
  東京Vとの開幕戦は開始早々に退場者を出し、思い通りの試合運びが出来ずに1-2の惜敗。仕切り直しのホーム開幕戦の水戸戦が、今季の戦いぶりを改めて示す"お披露目の場"となった。
 
 4-1-4-1で臨んだ千葉は立ち上がりから水戸を押し込でいく。とりわけ、最初の30分に見せたラッシュの勢いは凄まじく、ゴールが奪えなかったことが不思議なぐらいだった。
 
 なかでも、機能していたのがサイドチェンジだ。昨季も多用していた戦術ではあるが、今年はバージョンアップ。その要因になっているのが、昨季は中央を担う機会が多かった町田也真人の右サイドハーフ起用だ。

 右サイドバックの山本真希と右インサイドハーフの茶島雄介とともに流動的な動きで攻撃を構築。相手を上手く引き付けたとみると、左サイドに展開するパターンがこの水戸戦では面白いようにハマった。
 
 その崩しに町田は、「サイドバックの真希くんはボールを持てるし、自分も前にガンガン行くタイプではないので、右は足下でしっかりとつないでいく。左は個で行ける選手が多いので、そこに上手く持っていければいいのかなと思う」と手応えを語る。
 
 ただ、それだけでは相手に読まれてしまうのも認識済み。「縦への回数や質を上げていきたい」と10番が言うように、持ち味である追い越す動きも披露した。右サイドだけで崩す作業も組み込んで、相手に守備の的を絞らせないプレーも随所に見せた。
 
 縦と横を昨年以上に使えるようになったのも、右サイドハーフに町田を固定したからこそ。昨年まで同ポジションに裏抜けで生きる選手を使うことが多かっただけに、組み立てに関わりながら背後も狙える10番の存在は大きな意味を持つ。

 開幕2試合で未勝利。今節はエスナイデル監督が退席処分になるハプニングもあった。それでも、方向性を示した千葉はJ1復帰に向け、着実に歩みを進めている。

取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)

【PHOTO】日本サッカーを彩る美女サポーターたち♥
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事