ジョーとのコンビでJ1を席巻!首位の名古屋を牽引する”魔術師”が好調な理由

2018年03月04日 今井雄一朗

キャンプでの身体作りが開幕からの好調につながっている

G・シャビエルは、開幕戦に続く2戦連発弾でチームの勝利に貢献した。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 開幕戦で規格外の能力を見せつけたジョーが名古屋の新エースとして騒ぎ立てられているなか、ホーム開幕戦史上最多となる38916人の観衆を集めた磐田との対戦で際立つ存在感を見せたのがガブリエル・シャビエルだった。
 
 名古屋にしては珍しい、と表現されてしまう1-0勝利の決勝点を挙げたことだけが理由ではない。彼もまたJ1でエースを張るにふさわしい選手であることを誇示したからである。
 
 いまや巷で"魔術師"や"大天使(ガブリエルだから?)"と称されるシャビエルは自らをゲームメイカーと定義する男だ。正確な左足のキックで味方の決定機を演出し、セットプレーのキッカーとしても非常に有能。開幕戦でもホーシャのデビュー戦ゴールを演出するなどその銘に違わぬプレーを早速見せつけている。
 だが、一方で昨季によく見られたのが試合によっては"消える"時間帯があったことで、それは主にコンディションに左右されるものだったように思える。何せ7月に来日したその週末にデビューし、ろくに休む間もなく働き続けてきたのだ。2017年シーズン終盤は10月の湘南戦で負った左足肉離れの影響で本来の動きとは程遠いパフォーマンスに終始。だからこそキャンプからしっかりと身体を作ることができる今季への期待が、実は高まっていたところもあった。
 
 実際、G・シャビエルのコンディションの良さは数字にも表れている。G大阪との開幕戦では11.386キロ、今節の磐田戦でも11.020キロとチーム上位の走行距離を記録し、スプリント数も2試合とも20回を上回った。
 
 スピードは彼も自負する持ち味のひとつだが、運動量でも十分な数字が出ているということはチームにとっては朗報だ。より多くの局面にG・シャビエルが関わることで、名古屋の攻撃は彩りを増していく。ここ2戦連続でゴールを決めているのも、ゲームメイクの後にゴール前に詰めるバイタリティがあるからだ。開幕前、風間八宏監督はシャビエルについて問われ、「コンディションが良いよね」と語っていた。それが何を意味するかを、指揮官は分かっていたのだろう。
 

次ページフットサルの香りが漂うテクニックで前線の起点に

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事