驚異の17歳!G大阪の中村敬斗が鹿島相手に圧巻プレー!45分間に見た可能性とチーム内の序列

2018年03月04日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

後半頭から投入されたのは、中村が戦力として計算されている証

シュート以外にも正確な技術で攻撃を牽引した中村は、日本代表クラスの選手たちにも真っ向勝負を挑んだ。写真:徳原隆元

[J1リーグ2節]鹿島1-0G大阪/3月3日/カシマ

 76分だった。長沢駿とのワンツーで抜け出した17歳中村敬斗は右足を一閃。コンパクトな振りからニアサイドに放たれたショットはゴールに吸い込まれるかと思われたが、惜しくもポストを叩いた。劣勢に立たされていたG大阪は鹿島戦最大のチャンスを逸すると、その2分後に金崎夢生に決勝点を献上。直前に中村が決めていれば、結果は逆になっていた可能性があっただけに悔やまれる場面だった。
 
「アントラーズのディフェンスはレベルの高い相手だった。そのなかでワンシーンを作れたのは自信になる。でも、それを決められなかったことが間違いなく今日の負けにつながったと思う」
 
 試合後、中村は好機を逃したことについて反省の弁を述べた。ただ、シュートに関しては状況を踏まえて狙ったと明かす。「ファーに打ってもいいかなと思ったけど、どっちも空いていた。少しファーのほうからディフェンスの昌子さんが来ていたので、足に当たったら嫌だなと思ったので、ニアを狙った」と本人が言うように、日本代表の昌子源が寄せに来ていたなかで瞬時に状況を把握。その冷静な判断力に並みの17歳ではないことを感じさせた。
 クルピ監督から大きな期待を掛けられ、名古屋との開幕戦に途中出場を果たすとさっそく得点に絡んだ。鹿島戦も途中からピッチに立って強烈なインパクトを残した。

「若い選手ではありますが、公式戦でどれだけできるのか。練習では当然見ていますが、公式戦でのパフォーマンスを見て今後も起用できる選手なのかどうなのか、そういったところを見たいと思いました」と試合後に指揮官は語ったが、少なくともこの日の起用法を見れば経験を積ませるためではないのは明らか。0-0で迎えた後半頭から投入された事実は、戦力として計算が立つからこその使われ方だ。
 
 本人も"お客さん"として扱われる気などさらさらない。
「使ってもらえるのは嬉しいけど、それと同時に結果を残さないといけない。新人というよりもチームの一員としての扱いをされているので」
 
 ルーキーとは思えない言葉を残したことからもプロとしての覚悟が垣間見える。
 
 チーム状態が本調子ではなく、攻撃のコンビネーションが上手く機能しているとはいえない。それでも、17歳のストライカーにとっては大きなチャンス。熾烈な環境で揉まれ続けることで成長スピードはさらに上がっていく。少なくとも、開幕2連敗の青黒軍団で違いを見せた数少ないプレーヤーだ。
 
取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)

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