柴崎、途中出場で流れは変えられず…1人少ないヘタフェはC・ロナウドの2発などで敗北

2018年03月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

劣勢のなかで味方に決定機を提供しようとしたが…

2年前のクラブワールドカップ決勝を再現するには、あまりに状況が悪すぎた。ただ、柴崎にとって敵地でのマドリーとの対戦は、大きな経験・糧となったことだろう。 (C) Getty Images

 3月3日(現地時間)、リーガ・エスパニョーラ第27節が行なわれ、レアル・マドリーは3-1でヘタフェを下した。
 
 前節エスパニョール戦で後半アディショナルタイムにゴールを許して連勝が4でストップしたマドリーが、今年に入って3勝4分け2敗と健闘しているヘタフェをホームに迎えた一戦。柴崎岳はやはり、今回もベンチで試合開始を迎えた。
 
 立ち上がりからマドリーはボールを保持して敵陣に侵入。しかし、ヘタフェは厳しいプレッシャーをかけて決定的なプレーを許さない。BBC(ベイル、ベンゼマ、C・ロナウド)に対してはラインを高く上げることで、裏に抜けようとする彼らを再三、オフサイドの網にかけていく。
 
 18分にはカウンターからアンヘルが右サイドを抜け出し、ペナルティーエリア内でS・ラモスをかわし、この試合のファーストシュートも放ったヘタフェだったが、時間とともにマドリーのパスワークに翻弄されて防戦一方となっていく。
 
 マドリーは相手のプレッシャーをかわす意味もあってか、サイドチェンジを多用し、また選手が連動してパスを繋ぎ、チャンスを量産。そして23分、多重攻撃のなかで右からのクロスが前にこぼれたところを、フリーのベイルが左足を振り抜いて決め、先制ゴールを奪う。
 
 これ以降、さらにプレーがスムーズになったマドリーは、ピッチを広く使ったパスサッカーを展開し、アディショナルタイムには、ベンゼマのスルーパスを受けたC・ロナウドがDF陣をかわしながらゴール左隅に叩き込み、リードを広げて前半を終えた。
 
 ヘタフェは後半、開始から1分も経たないうちに好位置でボールを得たレミが粘ってから惜しいシュート。ヘタフェは連続してフィニッシュまで持ち込み、得点への強い意志を示す。
 
 ところがその直後、レミがナチョに対して手を使って倒したことで、2度目の警告を受けて退場となる。ただでさえ劣勢のなかで、数的不利まで強いられることとなった。
 
 そんな厳しい状況のなか、58分に柴崎がモラに代わって登場。初めてサンチャゴ・ベルナベウのピッチに立った彼は、2列目の左サイドに位置取ると、2分後には初めて攻撃に絡み、モリーナにスルーパスを通そうとしたが、これはカットされる。
 
 そのモリーナは63分、右サイドを抜け出してエリアに侵入したところでナチョに倒されてPKを獲得。これをポルティージョが冷静に決め、ヘタフェは1点差に迫った。
 
 対してマドリーは、66分にショートコーナーからC・ロナウドが頭で決めるが、これはファウルの判定で無効とされ、その2分後には、カルバハルが柴崎のマークをかいくぐって入れた高速クロスにC・ロナウドが再び合わせるが、GKマルティネスの好反応に阻まれる。
 
 しかし77分、マルセロが上げたクロスに対しては、ニアでDF、GKに競り勝っての打点の高いヘッドでゴールに叩き込み、C・ロナウドはこの試合2点目、そしてチームにとっては勝負を決する大きな追加点を挙げた。
 
 3日後にチャンピオンズ・リーグでパリ・サンジェルマンとの大一番を控えていることもあってか、ここでC・ロナウドはピッチを退き、アセンシオが登場。また、中盤の一角を担ったM・ジョレンテは、コバチッチと交代した。
 
 その後もマドリーの攻勢が変わることはなく、アディショナルタイム3分のなかでも決定機を作りながら試合終了。やや空席の目立つなかで行なわれた「マドリード・ダービー」を制した。
 
 柴崎は途中から右サイドに移り、マドリーの選手に寄せられながらも決定的なパスを味方に通そうとしたが阻まれ、目に見える結果を残すことはできなかった。数的不利のなかでは、多くを望むことは不可能であり、その意味でもレミの全く不必要なファウルによる退場は痛恨だった。
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