なんとVAR判定に3分45秒! 今季から導入も中国リーグは使いこなせていない!?

2018年03月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

待ちに待たされたラベッシが痛恨のPK失敗

さすがのラベッシ(手前)もシビれを切らした!? 中国デビューを飾ったマスチェラーノ(右奥)は執拗に主審に食い下がった。(C)Getty Images

 中国スーパーリーグは3月3日に新シーズンが開幕し、アルゼンチン代表MFハビエル・マスチェラーノと元ブラジル代表MFエルナネスを獲得した河北華夏のファーストマッチにも注目が集まった。
 
 河北は25分に先制される苦しい展開ながら、後半に入るとペースを掴み、アルゼンチン代表FWエセキエル・ラベッシを急先鋒に攻勢を仕掛ける。すると、65分だった。裏へのボールに抜け出したフー・レンシャンが相手GKにエリア内で倒され、主審は迷わずPKのジャッジ。キッカーのラベッシがスポットにボールを起き、主審の笛を待つ。しかし……。なかなかゴーサインが出ない
 
 今季から中国スーパーリーグは激しさを増すラフプレーに歯止めをかけるため、巨費を投じてVAR、いわゆるビデオ・アシスタント・レフェリーを導入した。いよいよラベッシが蹴る段になって、主審はVARの分析スタッフに待ったをかけられたのだ。無線で話し込んだ末、思い出したようにタッチライン際の確認用スクリーンで再生映像をチェック。最終的にPKと再認定されるまでに、3分45秒もかかってしまったのである。
 
 くたびれたのはラベッシだろう。ようやく笛が鳴って蹴り込んだが、ものの見事にブロックされてしまった。それでも河北が終了間際の86分になんとか追いつき、試合はドローで終了している。
 
 中国の有力紙『新浪新聞』はこう解説した。
 
「リーグ全体でVARの導入を突貫工事で進めたため、レフェリーと分析スタッフの連携などスムーズな運用がまだ確立されていないのだ。それを印象付けたのが今回の失態。あまりにも時間がかかりすぎた」
 
 そして河北のマヌエル・ペレグリーニ監督は「レフェリーを助ける素晴らしいシステムなのだろうし、それ自体に異論を唱えるつもりはない。ただ、ファウルを犯した側がとくに疑念を抱かないのであれば、わざわざ確認する必要はないのではないか。結果的にあれだけ待たされたのだ。ゲームに与える影響は小さくない」と、穏やかな口調で釘を刺した。

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